愛する心を育てて――荒れた伯爵領で描く、二人の軌跡
- ★★★ Excellent!!!
政略結婚の初夜、夫は冷たく言い放つ。「僕には愛する人がいる」一度だけの義務を果たした後、彼は二度と寝室に現れない。愛のない結婚。拒絶された妻デボラは泣き崩れず、夫に縋らず、静かに現実を受け入れる。伯爵夫人として屋敷を整え、荒れた領地へ向かう。そこで見たのは希望を失った人々と見捨てられた土地。夫は愛を与えず、義姉は敵意を向ける。それでもデボラは諦めない。
愛されない妻が、誰にも頼らず自分の価値を証明していく静かで芯の強い物語。
デボラの落ち着いた強さと、領地を少しずつ変えていく過程が丁寧に描かれていく。
読んでいるうちに自然と感情が揺さぶられ、彼女がどんな未来を切り開いていくのか見届けたくなる。読みやすく構成も安定しており、主人公の魅力と明確な対立軸で無理なく読み進められる一作。
静かな叛逆と成長の物語が好きな人におすすめ。
※二万字くらいまで読みました。