虚空に満ちる恋情

宮永レン

虚空に満ちる恋情

指先に触れた瞬間落ちてゆく、名もなき恋の深き奈落アビス


君の声、ひと雫さえ胸を打ち、甘き痛みに夜が満ちてく


背を抱けば世界が消えてただふたり、心の灯火、燃えてやまぬよ


涙ごと君を愛して抱きしめる、いつか笑顔に変えてみせるから


頬寄せて夢と現をたぐり寄せ、君の温度に朝がほどける


唇に、ひとつの罪を刻まれて、なお離れぬは恋の鎖よ


見つめれば隠せぬ想いあふれ出す、「僕を愛して」言葉飲み込み


ふたりだけ、夜の帳に紡がれて、ひそやかな誓い、星に溶けゆく


触れるたび命の深く震えだす、それが恋だとやっと気づいた


終わりなき永遠よりも欲しいもの、ただ今ここで君と過ごす日

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虚空に満ちる恋情 宮永レン @miyanagaren

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