AIって危険な存在? 楽しい相棒? それともただの便利な道具?

 エンジニアのアキトと、彼をサポートするAI・メメがネット上に巻き起こる怪現象の数々を解決してゆく物語。舞台はもう少しで手が届きそうな、少し先の未来。だからこそ巻き起こる怪現象は、異質でありながらも説得力抜群の、リアリティーに満ちています。

 まずこれを考える想像力がすごい! そして事件の背景に浮かび上がるその社会ならではの、AIと共存する時代だからこその、問題提起。そして読んでいくうちにAIがもつ危険性と、同時に共存する明るい希望が語られていきます。

 そんな難事件を解決してゆくのは、ちょっととぼけた感じの、でも実はしっかり爪を隠しているアキト。そのパートナーであるしっかり者の少年AIメメ。この二人のやり取りがまたとにかく楽しい! 自然とその二人の輪に加わるキャラクターたちも増えて、俄然物語はさらににぎやかに、楽しくなっていきます。

 この作者さん、とにかく物語を書くのがうまい! その語り口、キャラクターの楽しさ、電脳空間での情景描写、だんだんとスケールが広がり、深くなっていく構成、もうすべてがすごい。読み始めたらがっつり物語の中にダイブすることになります。そして読み終えたときには、改めてこれから訪れるであろうAIとの共生がどんなものになるのか、明るい側面、危険な側面、いろいろと考えたくなります。

 私感ですが、これって、いいSFを読んだときに感じるものなんですよね。
 まさにそんな作品でした!

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