第3話

「あー、諸君おはよう。今日から一週間このクラスを担当するダンジョン協会職員の慈英だ。元ダンナーでC級が最高ランクだ。よろしく」


でっっっか!こいつ190はあるぞ。それになんだあの肩…ちっちゃい重機乗ってるぜ。

ちらっとシノとナミタの方を見ると2人とも口が半開きになってる。というかC級って上位30%の人しかたどり着けないやつじゃん。このおっさんすご


「まず昨日の時点で魔法や武器系統のスキルをもらったものはここに立てかけてある武器の中から1つ選ぶといい。性能に差はないし刃潰しも終わってるので比較的安全だぞ」


あ、はーい。僕のことです。短剣カテゴリーとかいうニッチなジャンルですけど


長剣コーナーや杖コーナーを通り過ぎてようやく短剣コーナーを見つけたけど…いやちっちゃ!空港の本屋に置いてあるラノベレベルじゃねーか。

まぁ置いといて僕が使えそうなのは…うん、このダガーナイフと出刃包丁みたいなナイフしかない。


まぁ普通にダガーナイフの方選ぶけど。


短剣コーナーを物色して帰るとシノとナミタはもう選んでた。シノはショートタイプの杖、ナミタは大盾と槍を選んで待っている。


「おーい、ノア遅せーぞ」

「ごめんごめん、短剣コーナー遠くてさ」

「もうすぐ出発するらしいから早く来い」


持てる限りのAGIを使って広場に戻る。遅れてはならない、遅れてはならない。あのデカブツに小突かれただけで僕は死んでしまう。



結論から言うと普通に遅れた。



「よし、全員ダンジョンに入ったな。ここは日本唯一のG級そして人工ダンジョン、三田ダンジョンだ。ここの1層のモンスターは非殺傷モンスターとなっているから自由に行動していいぞ。しばらくこういう感じになると思う。最終日にはジョブ選択ができるLv10に到達するのが目標だ。では解散」


きたきたきたー!ダンジョンに入っちゃった、興奮しすぎてニヤニヤが止まらん!シノとナミタも口元が緩んでる。


「ナミタ、シノさん。どうします?」

「そうだな、非殺傷モンスターだし俺の出番は少なめだな。ノアをメインアタッカーにして俺が退路を塞いで高田が追撃でいいんじゃないか?」

「そうだね、田中君の配置がベストかな」


ダンジョン科の基礎中の基礎の配置、自分より格下のモンスターや逃げだすモンスターに対するアプローチとして満点だと思う。


「うん、そうしよう」


しばらく草原を探索していると目の前に白い物体が飛び込んできた。


「うわ、モンスターだ。僕が前に出るからナミタは背後取って!」


記念すべき1体目は角なしホーンラビット、1本角で数多の初心者ダンナー達を屠ってきたFランクモンスター、の角なしバージョンである。要はただのウサギと変わらない。


「「りょーかい」」


ウサギの目の前に半身で立つ。大丈夫、このモンスターは体当たりしかできない。ウサギが僕に向かって飛んできたので横方向にステップで避ける。


「あ、」


あ、やらかした。そっちシノがいる方だ。やばい後衛職のシノには接近戦の手段がない。まずい…


「えい!」


急いで振り返るとシノが角なしホーンラビットを杖で叩いてる光景が飛び込んできた。角なしホーンラビットはシノの可愛らしい掛け声とともに叩かれ、ドロップアイテムのウサギ肉を落として消えていった。角なしホーンラビットー!!お前のことは忘れない(泣)


「シノさん、大丈夫?怪り、いやよく杖で倒せたね」

「う、うん。当たりどころが良かったのかも」


危ない、いくらシノと仲が良いからといって女の子に怪力なんて言ったら殺される。親しき中にも礼儀ありってやつだ。


「高田!初討伐おめでとう。ノアは位置取りしっかりな」

「ごめん、初めてで少し焦ってた」


今がG級だから良いもののこれからランクが上がっていくと今のが致命傷になりかねない、気をつけなければ。


この後僕が2匹、ナミタが1匹ずつ狩ってタイムアップ。この日のダンジョン研修は終了した。


*こんにちは、もう3話目になりました。

今回はMPについて説明していきます。

MPとはマジックポイントのことで魔法やスキルの戦技を使う時に消費されるものです。技の威力が低いもの、安定性が高いものは消費MPが少なくなります。MPはポーションなどの即時回復と自然回復の2種類あって自然回復の方は1日経てば全快という感じになります。

次回少しだけいやーなキャラを登場させます。

即時ざまぁとはなりませんし今後最悪いなくても物語は進むので飛ばしてもらっても構いません。



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