私人逮捕という、人生で一度あるかないかの貴重な体験談です!

ひょんなことから私人逮捕を経験されたときの、その一部始終を綴った実録エッセイです。

「私人逮捕」と聞くと、なんだか物々しい事件を想像しますが、本作ではその経緯から事後の対応、そしてご自身の心境に至るまで、赤裸々に語られています。

特に興味深いのは、逮捕時の格闘から、警察署での面倒な手続き、そして自身の胸中に芽生えた「死神」という言葉。なぜ「死神」なのか、そしてその言葉に託された意味とは?

読み進めるほどに、事件の真相だけでなく、人として、作家としての筆者の葛藤が浮き彫りになっていきます。

犯罪を断罪することの正義と、その行為によって生じる後味の悪さ。 他者への被害を未然に防ぐため、立ち向かう勇気。 そして、その後の手続きや精神的な苦労。

本作は、ただの体験記にとどまらず、社会の影と向き合った筆者の内面を深く掘り下げています。

小説とは異なる真実の物語に触れたい方、私人逮捕という行為の現実を知りたい方は、ぜひご一読ください。

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