医療メイクが照らす、選んだ道と選べなかった道の物語

企画への参加ありがとうございます。

医療メイクという題材を、恋愛のための装飾ではなく、人がもう一度「自分の顔」で生きていくためのものとして描いているところが、とても印象的でした。

チカとケンの出逢いから始まる物語は、ただ甘い恋愛ではなく、人生の分岐点や、選んだ道、選べなかった道の痛みを丁寧に積み重ねていきます。

雪、光、メイク、過去の傷、消えない記憶。

一つひとつの描写に温度があり、作者さんが登場人物の心を深く見つめながら書かれていることが伝わってきました。

悲しみや後悔を綺麗ごとで片づけず、それでも人は誰かと出逢い、支えられ、もう一度笑えるのだと感じさせてくれるところが良かったです。

「もしも願いが二つ叶うなら」というタイトルの意味も、読み進めるほど重みを増していきます。

選ばなかった人生を思いながら、それでも今ある現実を生きていく。

切なさの中に、静かな強さと優しさが残るラブストーリーでした。