サマーナイトコード

プロローグ

「ようこそ、サマーナイトコードへ」

……え？

「“サマーナイトコード”をご存知ですか？」

サマーナイトコード？

「はい、サマーナイトコード。知らないですか？」

知らないな……？

「では、一から説明させていただきます。サマーナイトコードは、夏の夜、19時～29時―翌日の朝5時までしか開かないバーチャル空間です。」

10時間しか開かないの？

「はい。10時間です。続けてよろしいですか？」

ああ。ごめん。

「では。このサイトは完全オンライン化されています。普通、バーチャル空間と言ったら、バーチャルアバターを使って話す場所をイメージされると思うのですが、それだけではなく、チャット機能や、音声通話機能など、ただのバーチャル空間ではない機能が付属されています。」

チャット機能や音声通話機能はバーチャル空間にもある気が……。

「ああ。このサイトは、バーチャル空間に入らなくても使用できます。」

確かに、それは便利そう。

「さらに、このサイトでは……。いや、ここではやめておきましょう。」

……？まあ、良いでしょう。だけど、このサイトに入るにはどうしたらいい？

「入るのに必要なものは、あなたが持っていますよ。」

なんだろう？寿命とか？

「必要なもの、それは……、楽曲・Connecting Songsを再生することです。」

Connecting Songs……？そんなのきいたことないけど。

「いや、あなたは知っているはずです。だってここに来る前に再生しているのですから。」

覚えてない……。

「まあ、いいでしょう。今、ここで入りますか？サマーナイトコードへ。」

分かった、入る。

「よろしいですね？」

うん。

「マスターのログインを確認しました。サマーナイトコード内でのアバターはこちらで作成します。並びに、アカウント名を作成します。マスターのアカウント名は……、Reiです。」

Rei？

「はい。黎明の空から取りました。マスター、もといRei様のログインを確認しました。それでは、ようこそ。サマーナイトコードへ。」