第2話 コゼニ こまかく わけて おおざっぱ

 あやつは、うわぎのポケットをつかって コゼニを わけていた。


 じっさいの わけかたは、きいたけど おぼえてない。


 たとえば、ひだりポケット、みぎポケット、むねポケットで、いれるコゼニのしゅるいをきめていたということ。1円と5円は おなじポケット、10円と50円は おなじポケット、100円と500円は おなじポケット、などのように。


 だけど、とりだすときに めんどうだ。で、そのまま たまっていく。


 きがえ など の とき に、へやの カーペットに ちらばる。


 で、そのまま ひろわずに ほっぽっておく。


 たまに かたづけをする。コゼニを ひろって まとめておく。そして、そのまま。で、おれが もらう。


 ちかごろは、コゼニを しはらいのきかいに ジャラジャラと いれるような しくみ が はやってきたようだ。なので、とにかく たまった コゼニを さっさと いれてしまえば それですむ。コゼニをためこまなくてもすむのだ。


 なので、これからは、コゼニをためこむようなことにはならないだろう。しかし、いままでは ちがった。


 ついこないだまでの たまったコゼニは、よごれていた。そして、よごれているコゼニは、きかい が うけつけてくれないだろう。つまり、つかうことができない。


 なんとかしなければならないのだ。

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