TRAVELER'Z NOTE PREQUEL P.o Oonos Eno

白木飛鳥

Page.1 「王都見学、沈黙、そして名簿。」

ここは、ウーヌス王国の王都:ユニズ。私は、ウーヌス・エノ。

名前の通り、私の父が国王を務めており私はその娘である。


「さて、エノよ。明日は、王都の西にある青果店を見学しに行くぞ。」

「そうなのですね。そこは何がおいしいのですか?」

「まぁそうだな。この時期だとリンゴがおいしいのだと思う。そこの店は国内でも有数の青果店と聞く。」

「あ、もしかしてあそこの八百屋さんですか?侍女たちが噂にしていました。」

「そうなのか。そこに行くことになるが、確かそこの息子はエノと同い年であったはずだ。仲良くするといい。」

「わかりました。」


私は、明日の用意をしつつ次の予定に向かった。


国王の間では・・・。


「いいのか。これをしたらこの国は・・・。」

「はい、もちろんでございます。早朝青果店に行ってまいりますので手筈通りに・・・。」

「わかった。」


次の日・・・。


「ここが、王都有数の青果店か・・・。」

「ようこそいらっしゃいました。私たちの店の商品をぜひお召し上がりください。」


国王様たちはいろいろな野菜や果物を食べていた。


「どうした?エノ?何か食いたいものがあるのか?」

「はい、このリンゴをいただきたいのですが・・・?よろしいでしょうか?」

「あ!王女様!こちらのリンゴの方が赤いのでおいしいですよ?」


そこにいたのは、おそらく昨夜父が言っていた同い年の男の子が話しかけてきた。

正直彼が持っているものより私が指さした方が気になっていた。


「そうなのですか?ですが私は。」


私の一言で沈黙がしばらくの間続いた。

すると、警備のジャイアント・ワンクスが彼のリンゴを受け取った。

何かを察したかのように私たちはすぐに帰宅した。


帰宅後、、、


「すまないな。エノ。リンゴは少しなにか変だったようでな。」

「そうなのですね。やはり、ワンクスは優秀ですね。」

「そうだな。エノになにもなくてよかったのだ。」


私は自室に戻り、魔法の勉強を再開した。


国王の間では・・・。


「ちくしょう。ワンクスめ。」

「あのものは巨人の血を引きながら魔眼も持っていたのですか?」

「そうみたいだな・・・。さて、どうしたものか。」

「アウルストはどこにいるんだ?」

「王子は確か、国境軍視察です。」

「国境軍か・・・。失敗した青果店の店員どもでも行かせるか?」

「あんな年寄りたちは使い物になるか?」

「そういえば、あそこにエノと同い年の小僧がいたな・・・。」

「そうですね。そうしましたらあのものだけ行かせて、ほかのものは?」

「磔の刑にする。王女暗殺未遂とでも言っておこう。」

『かしこまりました。』


その後、半年間は何事もなく過ごしていた。

半年後、緊急徴兵として国境軍の増兵が発表された。


「エノ様。こちらが今回の徴兵された軍兵の名簿です。」

「ありがとう。このかたがたの名前を呼べばいいのよね?」

「はい、そうです。」

「わかったわ・・・。あら?この名前って・・・?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る