第9話 二千年以上の時(カーラ)を越えて
1.玄黓の解読 ― クライマックス
残った謎はただひとつ、『爾雅』の 「玄黓」。
『爾雅』の並びではこうなっている:
上章=
重光=
玄黓 = ɢen lek
昭陽 = tl̥
『史記』の順序と異なり、ここでは 上章 → 重光 → 玄黓 が連続して並んでいる。
まるで「
つまり「玄黓」とは「
・・・私は慄然とした。
2.玄黓の意味するもの
・
・「玄黓」=「玄(黒い)」「黒(さらに黒い)」「弋(戟)」
・そして作者は、おそらく前作の解読結果である『シヴァ
それが示すものとは――
「大いなる黒」= Mahākāla(マハーカーラ)、すなわち大黒天であり・・・
「玄黓」とはシヴァ神そのものであった!
もしかすると「黓」ですら「三叉戟」を持つシヴァ神のために創られた字なのかもしれない。
3.顕現
「気付きおったか、人の子よ。」
振り返ると、そこに黒き神が顕現していた。
おののきながらも私は叫んだ。
「二千年以上の間、われわれは『
けれど本当は――これは音の表と偶然重なったものであり、実際には『大いなる黒』とはいえ、西方の神の御名を写していたなんて……」
「
それに二千年だと?我にとっては一瞬にすぎん。」
そう笑いながら告げて、その方は消えた。
ああ、そうだ。
あのお方の名は――
「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます