◇――scene2

 私たちは恋人同士だった。仲のいいカップルだった。


 私たちの関係は、うまくいっていると思っていた。表面上だけのことだったのかもしれない。私だけが勘違いしてたのかもしれない。

 だけど、両方が部活のない毎週金曜日には、腕を絡め合って帰り道デートをしていた。必ず月に一回は休日デートもしたし、毎日LINEのやりとりだってした。

 考えれば考えるほど、分からなくなってくる。

 私の何がいけなかった? 何が、『平穏』を壊した?

 ……やっぱり、私のことキライになっちゃったのかな。しつこすぎたし、可愛くもないもんね。でもさ、嘘だったの? 私のこと「可愛い」って言ってくれた君の笑顔は。

 その中に、少しでも『ほんと』が混じってただなんて信じちゃうのは、我儘でしょうか。叶えられない、私の願いでしょうか。


 どんな彼だって、私は愛せるのに。

 だから、ほんとのことを教えてよ、ねぇ。私たち、一緒になろうって約束したじゃん!

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