第7話

『進化を統べるダルマ

                  第二回


 科学は、現代の文化文明すべての発展繁栄の裏付けとなる、人類にとって未曽有の、唯一無二の、不道徳な宝…禁断の魔術。


 それに熱狂し過ぎて多くの惨劇、取り返しのつかない傷跡が、人類歴史に刻まれた。 呪われているということは、つまり、人間が思い上がりすぎる愚か者だという、反省になってしまった。

 が、それでも、多くの戦禍を経て皆は少し賢くなり、傲慢な白人文明の相対化を始めた…それが「東洋への回帰」要するに精神性の回復への希求…

 シンクロニシティを唱えたユングは、先駆者である。

 今、警鐘を鳴らさなければ、もう後がない…そういう共通認識はしかし、なかなかにごうつくばりたちを掣肘するまでに至らない。


 ここでも、なにか、「革命」が必要になっている。


 私は、東洋の文化の根幹はおそらくブッディズムであろうと、それくらいはすぐ見当はついたが、釈迦の考えた原始的なドグマのよって来たる文脈や、信者たちの生活や多くの諸々の実体的な相貌というか、つまり、東西の違いがはっきりしてしまったことと、いったいどういう誤謬やら歪さがどちらにどの程度偏っているのか? そういうこともはっきり答えを出すには、その頃は勉強不足で無知過ぎたのだ。


<続く>


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