No.4 君のためなら、何でもできる / 足早ダッシュマン 様

No.4 序

 第4作品目は足早ダッシュマン(@ashihaya_man)さん(カクヨムID(@ashihaya)さん)の作品です。

 足早ダッシュマンさんも、プロローグのみ読むRT企画で知り合いました。

 今回はそのときに読んだ作品でご応募いただいています。


 カクヨムへのご登録は2025年5月。

 比較的ご新規さんですね。


 足早ダッシュマンさんの特徴は、何よりもAI利用の作品を作っていらっしゃること。

 自己紹介欄に「AIに負けて、AIを使った小説を投稿してます。」とあります。

 私の知る限り、物書きで大体的に「AI使って書いてます!」と宣言して活動している方は多くないように思います。

 潔い方だなという印象です。


 実は私もChatGPTを利用していますが、名前検討とか、ストーリーの本題でないところのネタ出しが中心です。

 ストーリー本編をAIで書きました、とは、仮にやっていても物書き的に口には出す勇気がありません。

 (そこを放棄してしまうと、自分の内にあるものを表現したいという、根本的な部分を否定してしまいそうで……)


 でも、やったことがある方はわかると思いますが、小説を1からAIに書かせると微妙なものができます。

 人間くさい重ねた言い回しや表現、遠回りな発言、シーンとシーンの間など、バランスがぐちゃぐちゃだからです。

 人間的な機敏を含めた読むに堪えうるものは、まだまだAIには書けない、ということが良くわかります。


 ですからこの揺れの部分を調整して小説として仕上げるのは、それなりの技術が必要だと思っています。

 足早ダッシュマンさんは、『自己流での生成AIを使用した小説の作り方。』と、手法を公開されていらっしゃいます。

 https://kakuyomu.jp/works/16818622175895475641/episodes/16818622175895516879


 こちらを読んでみても、やはり、すべてをAIで仕上げるのは難しいようです。

 この調整して仕上げることで、どのくらい面白くなるのか、という視点でも楽しみですね。





 余談ですが、執筆でAIの手を借りる是非について少しだけ。

 例えば出版社と契約された方は、編集さんがついて作品にあれこれアドバイスをもらえます。

 漫画家であればネーム(ストーリー構成など)も意見されています。

 有償の感想サービスや校正サービス、あるいはWeb作品の個人の感想や批評はどうでしょう?

 それらを勘案して作者は修正を加え、より作品をブラッシュアップしていくわけです。


 この、他人の手を借りる行為は悪なのでしょうか? 違いますよね。

 詰まるところ、作者の情熱が、作品を通して魂のこもった表現として見えていればゴールです。

 AIはこういったアドバイス、校正などの役割を担わせると、かなり有能な作業をしてくれます。

 人間とAI、やっていることは同じだ――私はそう考えています。

 なお……AI編集者よりも、人間編集者のほうが圧倒的に有能とは思います。

 (現在のところ)良い作品を作るには、人間の手は欠かせません。





――閑話休題――





 さて、そんな足早ダッシュマンさんからご依頼のありました作品はこちらです。



 『君のためなら、何でもできる』


 https://kakuyomu.jp/works/16818622175704645930



 お、短いタイトルですね。好印象です(個人的に)。

 続いてキャッチを見てみましょう。



 キャッチ:転生先はスマホ。僕は君を二度と手放さない



 内容は安定の転生ものです。

 しかしスマホになる。斬新ですね。動けない機械への転生を見るのは初めてです。


 あれ? 「僕」って、スマホになったら体は無いですよね?

 手放さないって?

 「僕」は別の人? 「君」はスマホの中の転生した人?

 頭が混乱してきました(笑)


 このくらい疑問を呼ぶほうが「一体、どういうことだ?」と中身をみたい誘惑に駆られます。

 このキャッチはアリですね。

 もし言うとすれば、今、私がしたような思考を経ないと惹かれないことでしょうか。

 ぱっと見て、素直に読み流すとミステリー感は感じられない、ということですね。





 次に概要を見ていきましょう。


>※本作は一部に生成AI(ChatGPT)による言語補助を活用していますが、ストーリー・キャラクター・構成はすべて筆者が作成しています。


 宣言されていますね。潔いです。



>厳しい森で暮らす少年・ユウは、ある日、不思議な黒い板を拾う。それはなんと、死んでスマホに転生してしまった“僕”だった。


 ああ、「僕」と「君」の正体が露見しました!

 あれ? でもスマホ化したのが「僕」ですよね。

 「僕」は「君」を手放さない??

 スマホが擬人化するんでしょうか?(妄想)



>ユウは何も知らずにそのスマホと契約してしまう。……


 ごめんなさい、ちょっと笑っちゃいました。

 「何も知らずにスマホと契約」って、年配者が店頭で販売員の説明を聞き流してオプション盛り盛りで契約する姿が思い浮かんで。



>……だがその瞬間、“僕”は確信する——この子は、かつて火事で失った弟とそっくりだ、と。


 転生者の「僕」が、拾った「君」に、弟の面影のある人物と気付くわけですね。



>もう二度と、弟を失わない。だから“僕”は、ユウのための旅を提案する。ユウの願いを叶えるため。


 弟を想う良いお兄ちゃんじゃん!



>……そして、ユウを僕のものにするために。


 え?

 えっ!?


 二度見してしまいました。

 どういうこと……??

 BL? 体の乗っ取り? 純粋に傍にいるって意味??


 ここにもミステリーがありました!





 以上が概要になります。

 次回、真実は本編で語られる……?


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