十二月五日(モラ逃げ一〇四日目)、雪の下でも
今日でモラ逃げ一〇四日目。昨日の雪がまだ屋根の日陰に残っている。
信夫山も地肌に雪が積もっているのが裸木の枝の間から透けて見える。
あそこにも熊が住んでいて未だ冬眠も出来ずに餌を探しているのだろうか。腹を満たさなければ眠ることも出来ないのだろう。
熊に襲われて死にたくはないが、餓えて人里に降りて電車に轢かれたり雪の山で人知れず力尽きて息絶えたりする獣を想像すると憂鬱になる。
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ネットで伊藤園ジャスミン茶のティーバッグを十袋分を買う。
一袋三十個入りなので一日一個消費するとすると約十か月分だ。
だが、クーポンを使うとスーパーで買うより三割も安くなるのでまとめ買いすることにした。
ジャスミン茶は基本的に私しか飲まず自腹で買っているので切り詰めなくてはならない。
付いたポイントでこの前届いた子供たちの写真を収めるアルバムも買った。
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雪が積もった昨日より今日の方が寒いので部屋着のフリースの上にコートを着る。
「最強の防寒スタイル」がまたアップデートされた。
学校帰りの子供たちを見ると耳当て(『イヤーマフ』と今は言うそうだが)を着けている子が多い。次女にも買ってやろうかと思う。
横浜とこちらでは冬の標準装備が違うのだ。
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詳細は伏せるが、ここ二、三日は弁護士さんからの連絡が多い。
メールに着信があると、シュッと胸の奥が塞がるような緊張が走る。
ただ書面を受け取るだけでもしばらく食欲が失せる。
これが法律家の手を借りる、係争の当事者になるということなのだ。
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庭は殆ど雪が融けたが、楓の木はすっかり葉が落ちて枝先の一部に乾いた紅い葉を残すのみとなった。
ただ、昨日の雪ですっかり萎れたと思っていたコスモスは小振りだがピンク色の花が幾つか咲き残っていた。
「まだ咲いてる」
「小さくて可愛い」
と次女は喜んでいる。
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長女へのクリスマスプレゼントを次女と考えているがまだ決まらない。
十二歳になるあの子が本当に欲しい物は何なのか。
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Googleフォトに七年前のまだ五歳になる直前の長女と二歳になったばかりの次女が寄り添って眠っている写真が表示された。
二人とも可愛い。
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