こと日本社会において。女性性というのは、現在進行形で、時代を越え搾取され続けてきている。ある親戚の集まりがあれば、そういった決め事がある訳でないにも関わらず、食事を運ぶのはいつも女性。時代がどれだけルッキズムを唱えど、山手線のほとんどの車両には、二重整形の埋没切開費用の安さを売る、美容整形外科のスポンサード広告が張り巡らされている。だがそんな息が詰まりそうな令和という時代に、全く新しい逆説的な搾取が生まれた。それこそが、メンズ地下アイドルの台頭である。この『キラキラの愛は角度により。』では。令和に置ける『女性性』『男性性』その両方に生じる搾取が。思まず目を手のひらで覆ってしまいそうなほどの、圧倒的リアリティを持って描かれている。私は全くメン地下(メンズ地下アイドル)などに縁はないのだが。『キラキラの愛は角度により。』を読んで。なんとなくでしかないが、池袋サンシャインシティへ行きたくなった。もし、これから機会があるのなら。『チェキ』なるものを撮ってみたいものだ。