主人公の内面の繊細さと久野くんという存在に抱く淡い憧れや孤独が美しく静かに描かれていて、それが物語に何とも言えない淡い光を差し込んでいるような印象でした。
誰にも届かない想いと、それでも忘れたくない記憶。
その切なさが雨や夕日の情景と絶妙に溶け合い、この物語の情景は、
とても美しい景色として私の脳内で自動的に書き換えられました。実際がどうであったとしても、私の中では非常に美しくなりました。
加えて、「存在しなかったかもしれない誰か」を想い続ける尊さは、推し活に通じるものがあるような気が私はしました。
度重なる転校、大変でしたね。
転勤族、きついと思います。