Roots
みぃ
お兄ちゃんの背中
それは あまりにも静かに
ゆっくりと はじまった
さも平常心を
見せつける
だから わたしは
つい こころゆるす
魅力的過ぎて
とっぷりと浸かる
私の毎日が 表情を
もち
かがやきをもつ
そうなるのに
時間は要しなかった
私の兄は 純文学の作家だ
いちどだけ 作品をみせてくれた
ペンネームも それからの
作品も家族にすら 明かさない
その徹底ぶりに
尊敬の念をいだいている
兄と私は
描く世界こそ違えど
どこかで繋がっているのでは
そんなふうに
おもったりするんだ
ほんとなら
できるなら
兄の書く文学
純文学にもっと触れてみたいけれど
私も
私なりに
描いて行こう
胸をつたう ぬくもりが
こころを灯す
やさしさに出会えるから
お兄ちゃん
子供の頃を思い出すよ
サッカーボール追いかける
お兄ちゃんを追いかけて
公園を直走る
その背中を見失うまいと
必死で
いつも そうして
追いかけていたね
お兄ちゃんはやさしいことばひとつ
かけないけれど
真剣な眼差しで
私を見守ってくれていた。。
Roots みぃ @miwa-masa
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