作文
春巧@金曜更新予定
作文
――はい、吉田さんとってもよかったわよ。
お父さんが仕事で頑張っている姿がとてもよく表現できていたと思います。
でもね、後ろにお父さんが来てるからっていちいち振り返って確認しなくていいのよ。
(クスクスクス)
皆、笑うのをやめて。拍手。
(パチパチパチ)
じゃあ次は……渡辺君。
「はぁい」
はぁいじゃなくてはい、でしょ。渡辺君はお父さんとお母さんの話、どちらを書いたのかしら?
「マ……おかあさん」
(ママだってー!)
皆黙って。後ろで皆のお父さん、お母さんが睨んでるわよ。
じゃあ渡辺君、作文を読みましょう。
「はい」
「ぼくのおかあさん。
一年三くみ、わたなべゆきお。
ぼくのおとうさんとおかあさんはよくけんかをします。
おかあさんはいつも「パチンコにいくお金があったらうちに入れたらどうなの」とおとうさんをしかっています。
おとうさんはぼくがかえるといつもいえにいます。
ぼくが学校にいっているときはパチンコというとこにいっているみたいです。
だからまいにちおかあさんは、「しねばいいのに」とかいっていました。
ぼくはしねとかいうのはよくないとおもいました。
おかあさんにそういうと、「ごめんね」といっていました。
このあいだ学校からかえったら、おとうさんがいませんでした。
ぼくがいえのなかをさがしていると、かえってきたおかあさんがビックリしたように「ゆっくんかえってたの」といいました。
ぼくは「きょうはごぜんちゅうだけだったよ」といいました。
おかあさんはどうりょうとかいうおじさんといっしょでした。
そのあとおじさんはかえって、おかあさんは「ひさしぶりにそとでたべようか」といったので、きんじょのファミレスにいきました。
おこさまランチをたのみたかったけど、てんいんさんがニコニコしているので、ぼくはこどもじゃないとおもって、カレーライスをたのみました。
でもすごくからくてちょっとなみだがでました。
そのあとぼくはねむってしまって、めがさめたらあさでした。
やっぱりおとうさんはいませんでした。
ぼくはおかあさんに「パパはどこにいったの」とききました。
おかあさんは、「パパはでていったの。もうもどってこないの」といいました。
ぼくはかなしくなりました。
でもおかあさんをしんぱいさせたくなかったので「わかった」といいました。
ぼくがおかあさんをまもるんだとおもいました。
そのひは学校がやすみでおかあさんはしごとだったので、「なにかあったらすぐでんわするのよ」といっておかあさんはでかけていきました。
おかあさんはしごとをがんばるひとだとおもいました。
ぼくはしゅくだいもおわってリビングでテレビをみようとおもいました。
リモコンがテーブルからおちてテレビのだいのしたにころがったのでとろうとしたら、そこにへんなぬのがありました。
ぼくはそれをひろげてみました。
おとうさんのふくでした。
おとうさんはこんなところにふくをかくしてだらしがないなぁとおもいました。
たぶんあかいいろがいっぱいついていてあなもあいていたので、おかあさんにしかられるのがこわくてかくしたんだとおもいます。
それにほうちょうもいっしょにかくしてありました。
それもすごくまっかによごれていました。
おかあさんにないしょで、りょうりをしようとしてしっぱいしてかくしたんだとぼくはおもいました
きのう、学校からかえってきたらアパートのおおやさんにであったので、このはなしをしたら「それをみせてほしい」といわれたのでわたしました。
おおやさんはびっくりして「しばらくかしておいて」といいました。
おおやさんはおとうさんがいるところをもしかしたらしって」
お母さん?渡辺君のお母さん!?
(渡辺君のお母さん走ってでていったー!)
(騒がしくしていけないんだー)
作文 春巧@金曜更新予定 @harutaku25kaku
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