天獄団地5
事務所についてすぐに私達は作業にとりかかった。
「これ僕がまとめた資料です」
木戸さんがノートPCの画面をこちらに向ける
「結構ガッツリ調べてますねぇ …」
団地だけでこれだけ怪談話があるのか…
見せられたその資料と情報の量に驚いた。
「この資料1.2.3は自分がみつけた団地と関係あるんじゃない?みたいな感じのをSNSとか動画サイトから抜粋してきたヤツです」
「なるほどです、まぁ創作怪談だから団地と関係無くても物語のパーツとしては使えたりするんですよね」
「そうなんですね!集めたかいがあって良かったですよ」
まとめられた団地の怪談話は大きくわけて3つ
•目隠し少女
•ループ女
•叫び男
基本はこれを軸に話を考えて行こうと思っている。
「これ思ったんですけど団地の怪談
三島一家と関係あったりしたら面白そうですよね? 家族構成的にも一致していますし」
「面白くはありますね?でも名前は直接使うのはやめた方がいいかな?
あくまでフィクションですから、名前は別の名前に変えましょう」
集められた資料もしっかりと確認した
ブログ、ネット掲示板、SNS、知恵袋、
エレベーターの動画、張り紙について
よくもここまで集められたものだ…
資料にあったエレベーターの動画で
私はあることに気づきました。
「このエレベーターの動画っていつアップロードされたんですか?」
「上がったのは3年くらい前かと思いますけど
それよりもっと前の動画のはずですよ
それ気づきましたか?」
私が驚いている理由は画面に映る動画の投稿者
のユーザーネームでした
「これの投稿者っておそらく
タツヒコ君のお母さんですよね?
ってことはこれタツヒコ君が消えた日の
カメラの映像ってことですか?」
「僕もそう思ってます
概要欄に電話番号があったから、
ためしにかけてみたんですけど
繋がらなかったんですよね…」
「繋がらなかったんですね…
でもまだお母さんが生きてる可能性があって良かったです」
それから木戸さんと情報を繋ぎ合わせて物語を作っていった。
ある程度怪談話としての輪郭ができてきた時に私はとある共通点に気づいた。
「木戸さん私気づいちゃったんですけど
全部ある1つのことで繋がってるかもしれないです。
これほぼ私の考察だからこじつけ感強いかもですけど…」
「繋がってる?」
「ええ、これはあくまで私の考察ですよ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます