天獄団地 2

車を降りてすぐ木戸さんが団地内を案内してくれた。

「この公園と向こうに見える電話ボックスでの怪談話が確か多いですね」


「電話ボックスの奴は夜に急に電話がなって、

とると不快な音を聞かされるみたいな奴でしたね?」


「あーそれです、それからA棟はB棟より現象はあまり確認できてないですけど、人も住んでますしあまり見るところないですけど、

一応空き部屋だけでもみていきます?」


「とりあえず今はB棟だけでいいかなぁ」


「了解です、少し警備の人と話してくるので

ここで待っててください」

木戸さんはそう言い残しA棟の警備室に向かっていった。


待っている間私は周囲を見渡していました。

B棟を除いた場所で怪談話や噂があるのは、


・電話ボックス

・棟と棟の間の公園

・B棟端の祠とゴミ捨て場のある道路


確かにさっき木戸さんが言っていたようにA棟方面より圧倒的にB棟の方が多い

それに…なんだろう…A棟とB棟2つの団地を見て妙な違和感を覚えた。

けれどその違和感が何なのかは気づけませんでした。


しばらくしてA棟の方から木戸さんが戻ってきた。

「猿鬼さんお待たせしてすいません。

さっそく行きましょうか」


「あの? 木戸さん1点聞いてもいいです?」


「どうしました?」


「A棟とB棟一緒に建築されたはずなのにB棟の方がなぜ早く封鎖されたんです?」


「あぁ、それは理由があって建物の老朽化問題でただ閉鎖したわけではなくて、新しい入居者が集まらなかったのが一番の問題でして…

ニュースになった大きい事件の行方不明事件と

心中事件どちらもB棟でのできごとなんですよ


そんなことがあったもんだから元々いた人も怖がって出ていったし新しい人もなかなか引っ越してこなかったんですよね…

今回の怪談プロジェクトも団地の改修工事が近々あるからってでた案なんですよ」


「なるほど…それでオカルトマニア向けにしようってことですか」


「そういう事です!」


それから程なくして私と木戸さんはB棟に向かいました。

B棟のエントランスに入った時に木戸さんが私にあることを聞いてきました。

「猿鬼さんって体力に自信あったりします?」


「ぜんぜんないですよ?」


「エレベーター使えないんで、13階まで

階段です…」


「………」

思っていたよりも先は過酷そうだ















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