蜜月 リプレイ 中編

 今日の新見はとにかく丁寧に、ソフトタッチであちこちにキスを降らせ、愛を囁いた。


「真珠、お前、可愛すぎるよ、俺、もう壊れそうだ」 ちゅっ、

「明日も明後日も、そのずっと先も、真珠のことだけ見てるから」 ちゅちゅっ……


「正臣がダーリンに進化したあー」


 真珠は笑いながら、新見を押し返そうとした。


「もう激甘注意報出てるー」


「よし真珠、今すぐ蜜吐いてキュン死にしろ」


 熱い吐息、耳元で囁かれた後、耳たぶを甘く噛まれる。同時に、彼の指が真珠の乳首にそっと触れた。


「あん」


 思わず漏れた吐息を、新見の唇が奪った。ちゅるりと舌が絡み合う。


「まじ甘い!」


「ばーか」


 新見が急に真顔になり、んーっと考え込むように間を置いた。


 そして急にリズムに乗せるように、言葉を紡ぎ出す。


「君の瞳は夜空より深く

 見つめるだけで心が近く

 触れた瞬間 時が止まる

 君の名前だけで胸が騒ぐ


“好き”って言葉は軽くない

 君の笑顔で世界が明るい

 誰にも渡さない 君は宝

 俺の気持ち、嘘じゃない


 耳もとで囁くこの言葉

 君の心に火をつける魔法

“俺だけ見てて”なんて冗談?

 いや、本気だよ 君は女王


 君の手に触れたら世界が揺れる

 この瞬間だけで詩が生まれる

 甘い睦言、でも気持ちは本物

 君といるだけで俺は無敵」


 そのあと、「ぶぁ~~ん!」とエアフォンの口真似しながらハンドサインと決め顔する新見。


 あっけにとられた真珠だったが、すぐにげらげらと笑った。


「あはははは、正臣、あんた何仕込んできてるん!最高~」

「は?俺はいつだって真剣だぜ。いしし」


 ふざけた後でもすぐにひたひたと甘い雰囲気が二人を満たした。


 真珠は繰り返し名前も呼ばれ、囁きに心が溶けていく。


 ベッドの真ん中にまっすぐ寝かされて、新見が上からそっと寄り添うように重なってきた。


 目が合う。吸い寄せられるように見つめ返してしまう。

 お腹の奥がきゅっとなって、せつない。


「真珠、ずっと俺のそばにいてくれよな……俺、お前の事もっと知りたいよ」


 飾り気のないストレートな言葉が嬉しいけど恥ずかしい……


「顔、真っ赤だな」


「だって、恥ずいもん」


 頬から首、胸元へと、新見の長い指がゆっくりと優しくなぞって降りた。


 二人の体温が近づき、肌が触れ合う瞬間に、真珠は思わず息をのんだ。新見の愛情がこもった動きに、心も体も満たされていくような感覚が広がった。


 ふう、ふうと息が乱れ、高鳴る鼓動が響き合う。


 閉じた股の間に新見のがゆっくりと差し込まれる。すでに十分潤っている所をなぞるように動かされると刺激が気持ちいい。


「んあっ」


 軽くイキそうになったタイミングで、新見が仰角を浅くした。

 足を閉じたため狭い肉の谷間になったそこに、ぐうっと熱いものが侵入してくる。


 びくびくびくっ!


 シーツをわしづかみにする真珠。挿入されただけでめちゃくちゃイってしまった。


 気持ちイイ……


 さらに快感を得ようと足をピンと伸ばすと、新見が呻いた。そして動きががくんと遅くなる。


「真珠、うっ、それ、ヤバイって」


「わたしもぉ、溶けちゃうかもぉ……あ、あ、あ またキた」


 ……………。


―――


本日は伸長位です。

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