第二話
1日目 後半
僕は教会に居た、僕はあまりの苦痛に気絶してしまっていたのだ。なんともまあかっこ悪い勇者である。
時計の針は23時30分を指していた。
「おいゴラ、ボケクソ勇者!」
後ろから怒声が聞こえてきたのである。
「もう定時過ぎてんだよ!はよ帰れや、神父は残業代でねぇんだよ!はよ酒飲みてぇんだよ、とっとと帰れぃ。」
神父が怒鳴っていた。
もう一度言う、神父が怒鳴っていたんだ、何を言っているか分からないと思うが僕も何が起こっているのか分からない。
「神父がそんな言葉使っちゃいけません、あと神父は酒を飲むな、神父は怒鳴るな、もっと怪我人を大事にしろ。」
「確かにな、神父は酒飲まないし、神父は怒らず温厚だし、神父は生涯独身でいなければならない。神父は街で1番必要な存在なのに可哀想じゃないか!」
神父は泣きながら、タバコに火をつけ、一服した。
この神父の言葉は説得力がある、ありまくる。
「確かに。」
あとタバコ吸うなよ、副流煙ってやばいんだぞ。
「そんなのクソくらえだ、俺は自由に生きる。酒は浴びる程飲むし、ムカつく時は怒るし、結婚はするし子供も作ることにした。次の神父は息子のゼリオに任す。ゼリオはちゃんと神父させるし、俺の罪はゼリオが被る。」
クソ喰らえって言っちゃったよこの神父、子供に全ての責任を押し付けようとしてるよこの神父。
「神父としても親父としても最低だよ、あんた。」
「アァン?文句かクソ勇者、お前なんか、魔物にであって大変な目にあっちゃえぃ。」
壊滅的ボキャブラリー神父だな。
「5歳児でももっとまともな言葉使うぞ、悲惨とか、残酷とか。」
「そんな5歳児、クレヨンの物語でしか見たことねぇよ。」
まともなツッコミを入れられた。
「それよりも、神父が魔物に襲われるとかいうんじゃねぇよ!」
僕はクソ神父にベシュラリッッとツッコミを入れた。
「痛ってぇな! 営業時間外は神父じゃねぇんだよ、とっとと帰れぃ!」
このクソ神父は僕を投げ飛ばし、教会から強制退場させてきた、てかなんだよ教会から強制退場って。
なんて日だ。
僕勇者は家のベッドで安らかな眠りに着いた、魔物なんて出る気配ないし心配する必要なかったな。
ちなみに教会の営業時間は7時から23時らしい。
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