お子ちゃまなんて思っていた男子たちが、いつの間にか心を揺さぶる存在に
- ★★★ Excellent!!!
三十歳の伯爵令嬢アンは、持病の「成長止め」のせいで二十代にしか見えない。研究職と執筆の仕事に満足していたのに、父から「友達を三人作ってこい」と無理やり学院に入れられてしまう。
年齢を隠しながらの学院生活は、戸惑いと笑いの連続。けれど試験や事件を経て、次第に見えてくるのは「ただのお子ちゃま」ではなく、悩みや弱さを抱えた彼らの素顔。アンの年上らしい余裕や包容力が、彼らの心を揺さぶっていく。
クソガキだと思っていたデリックが初めて見せる笑顔に、ノアがふとこぼす寂しげな横顔に、心を動かされる瞬間が散りばめられている。アラサーだからこそ分かる“恋は面倒で、でもやっぱり愛おしい”という実感が、物語全体を甘く切なく彩る。