このボナセーラという喫茶店は、わたくし自身が通っていた喫茶店を彷彿とさせる。静かな店長、変わる変わるやってくる客。喫煙可能で、コーヒーがとても美味しい。ああ、すごく良い喫茶店だったな、あそこは…と思い出すことができる。喫茶店に流れる雰囲気の描写が、素晴らしいからだと思う。この文字数で、ここまで情景を描写できるのがすごい。普段小説を読まない人にもおすすめできる。コーヒーを一杯、飲みたくなる小説。
<来店記録八月十七日」を読んでのレビューです>ある夏の夕方の情景から始まり、少年と小説家の会話が中心に描かれています。登場人物の動作や発話は淡々としていながら、その背景に温度の違う感情が漂ってい…続きを読む
純喫茶、あまり人は来ないのに愛されずっとそこにあり続けるもの。まさしく純文学の在り方そのものだと思う。語らないことで語る余白、過多なほどの説明で浮かぶ情景。誰しもが知っていて、でも誰もが書け…続きを読む
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