一歩一歩、しかし確実に成長していく少年を描いた成長譚

主人公のコウは忌み子として生まれ、村人から迫害され、生きてきた。
そこで、師匠となるリゼに出会い、自身が"黒の器"という特殊な才能を持つことを知る。

リゼと修行を重ね、冒険者となり、相棒のイリスと共に世界の命運と立ち向かって行く。

まず主人公であるコウの成長を描く流れが非常に丁寧。呼吸から身体の動かし方、自己確立の流れまで、普遍的な人間が辿る成長譚を見事に物語に落とし込んでいる。
成長するためには何をどうすれば良いのか、そんなバイブルがこの物語には詰まっている。

それが作者の方の優しさであり、伝えたいことなのだろう。

冒険者になり、地道に下積みからやっていく話は少ない。大衆受けするテンポかと問われれば難しいかもしれない。

それでもそこに伝えたいメッセージが詰まっている。

モンスターの討伐、冒険者ランクの昇格試験、全てはコウやイリスが成長するための舞台装置だ。

だが、そこには作品の中で二人が生きていて、苦悩し、葛藤し、それでもそれを乗り越えて成長してくれるという信頼感がある。

なぜなら、これは成長譚だから。二人がどう成長するのか、周りの大人が二人にどのような影響を受け、どのように影響を与えるのか。

出て来る大人がカッコいいがちゃんとカッコ良いのもこの作品の魅力です。

自身の成長について悩み、足踏みしていると感じている方はこの作品のどこかにその答えやヒントがあると思います。
是非、ご一読ください。

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