04:惑星の滅び
惑星『
今回は、海水の約七割が短時間のうちに盗み出された。壊滅的な津波と地震が起こり、生物の大量死による食物連鎖の破壊は生態系の破壊や酸素量の急激な現象を引き起こす。惑星の熱循環が失われ地表は灼熱と極寒を反復し、宇宙へ脱出する科学レベルになかった生存者たちは洞窟や地下の空間に逃れた。そしてより過酷な環境となった危険な地上に、食糧確保を兼ねた祈祷に出ていたと考えられる。
異変を感知して近傍宙域から急行した亜光速宇宙船『
救助した者も既に弱っており次々と死に、生きて検疫ユニットを出たのは
生体自動翻訳を使って呼びかけた
そして、様子を見に来た船長クムに飛びついて泣き出したのである。
「――というわけだ。気の毒だが
トーウはこくりと頷く。船長のクムは、トーウが絶対にそばを離れようとしないのでついに
「何で俺が気に入っちまったんだろうな」
『わかりません。でも、会ったら感じたのです。あなたは私の特別な人。いつか会いたいとずっと願っていた人です』
「ともかく」
と船長クムはため息をついた。
「
追跡は船内時間で一昼夜続いていた。燃料はまだ母星に戻るだけの十分な余裕があるが、いずれ限界は来る。資源テロリストたちの違法改造船は航続距離と速度を過剰に重視した構造をしており、認可外エンジンで爆走している。
『速くて小さい船。私たちの海の水は、あの船に積まれていないということですか』
「そうだ。奴らは
『このまま追いますか?』
「追えるところまではな。軍も急行してるが、三日の距離がある。恐らく奴らはその間に俺達を
トーウは琥珀色の目をしっかり開いてモニタ群を見つめ続けている。その顔は、物珍しさに目を
何かを探している? 何かを考えている? クムは不思議な感覚を覚える。どこか高貴なこの眼差しを、いつか見たような気がする。
『
自動翻訳の誤りだろうか。クムは改めてトーウの顔を見た。トーウはずっとモニタを見ている。
『
「トーウ? 何の話だ?」
『あの船に
それは。
確かに軍でも
つまり?
『――あの船に乗る
『……でも、やりようはあります。私、あの船を破壊していいですか?』
「君にそんなことができるのか」
『ええ。だって、私はばけものだから。でも、そのために知りたいことがあります』
ぞっとする。トーウの琥珀色の瞳は優しい色をしているのに血潮を思わせ、その言葉は徐々に重みと威厳を増していく。これはまるで、物語に登場する大昔の女王のよう。
『私の住んでいた太陽系は完全に生命が滅び、二度と新たな生命が発生しないでしょうか』
「現在の観測結果ではそうだ。君のいた
『わかりました。では、私のいた太陽系の全質量を教えてください』
「……ああ」
クムは
『それから、微弱重力検知と重力レンズ効果検知のリアルタイムデータを見たいです。でも、無ければ無いで、どうにかします』
再びぞっとした。吐きそうな恐怖だ。
だって、それはおかしい。それはここまでの会話の中で初出の単語だ。トーウの星には無い知識群のはず。
「……君は何を考えてる? いや、君は誰で、何を知ってるんだ?」
するとトーウは真っ直ぐにクムを見て答える。
『私はトーウ。私は知っています。私は、あの船が暗闇で
*
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