ドーナツとカフェラテとー検索できない名前を胸に

@kitano_kokage

プロローグ

2000年の空気には、今とは違う静けさがあった。

スマホはなくて、連絡手段は家の電話か、手紙。

放課後に駄菓子屋に寄って、誰かの家でお菓子を分け合って、いつの間にか暗くなるまで遊んだ。

その時代に出会った、ふたりがいた。

奏汰と千穂。

親友というには淡くて、恋人というには幼くて。

でも確かに、どこにもないたった一つの関係だった。

これは、文通のやりとりを通して、一度離れ、それでも心のどこかで残り続けた“あの人”との物語。

会えない時間が、会えない想いが、心に何を残したのか。

そして、あの日、ドーナツ屋で交わした言葉が、

ひとりの人生をどう支えたのか——

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