CERES07-AAR-02 マラリ小隊
艦内の廊下を進みながら、マラリとカワチは視線を交わした。
ケレス7の任務は決まった。あとは小隊全員に知らせ、準備を始めるだけだ。
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食堂
昼食の片付けが終わったばかりの食堂は、まだ温かな匂いが残っていた。
エッサーマン上等兵が湯気の立つマグを片手に席に着いていたが、マラリの姿を見つけると立ち上がって敬礼する。
背後のテーブルでは、陽気なロドリゲスと真面目なナカムラが何やら補給リストを見比べていた。
「楽にしてください」
短く告げると、エッサーマンはほっとした表情で腰を下ろす。
「任務…また長丁場ですか?」控えめに尋ねる声には、期待と不安が入り混じっていた。
「詳しい説明は後ほど行います。今は装備を整えておいてください」
そのやり取りを聞きつけたロドリゲスが小声で「また面白くなりそうだな」と呟き、ナカムラは眉をひそめた。
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兵舎
兵舎の一角では、Y.G伍長が愛用のマシンガンを分解整備していた。
隣にはダース兵長。ポータブル端末にケーブルを繋ぎ、機器のチェックをしている。
さらに奥のベッドでは、臆病なトンプソンが靴ひもを締め直し、無口なジョンソンは黙々とスナイパーライフルを磨いていた。
「伍長、兵長。次の任務に備えてください」
マラリの声に、Y.Gは立ち上がって敬礼する。
「了解しました」
Y.Gが端末をいじっているダースの背を指で突き、「また面倒な仕事になりそうだな、お前の機器も全部死ぬかもな」と軽く笑う。
「そっちの弾切れのほうが早いだろ」
ダースは目を上げず、淡々と返す。
二人のやり取りに、マラリは苦笑しつつも任務概要を簡潔に説明した。
ウエンナー上等兵は医療キットの点検を終え、隣のガルシアと短く言葉を交わしていた。
「負傷者が出ないことを祈ります」
静かな言葉に、カワチは無言で頷く。
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トレーニングルーム
射撃シミュレーターの音が響く中、筋骨隆々のウィリアムズが星条旗柄のバンダナを揺らしながら標的を撃ち抜いていた。
その後ろで、ブラウンが無表情のまま射撃精度を記録している。
マラリとカワチの姿に気づくと、周囲の兵士たちも動きを止めた。
「全員をブリーフィングルームに集めます」
カワチの短く力強い言葉が飛び、訓練場の空気が引き締まった。
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ブリーフィングルーム
やがて部屋には小隊の全員が揃った。
ホログラフィックテーブルの前に立ったマラリは、一人ひとりの顔を見回し、落ち着いた声で告げる。
「次の任務は、ケレス7コロニーの偵察です。ただし単なる偵察ではなく、状況によっては作戦全体の成否を左右する重要任務となります」
短くも重い言葉に、場の空気が張り詰める。
その場にいる全員の視線が、マラリに集中した。
こうして、彼らの新たな戦いが始まろうとしていた。
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