和歌ぼっち ― タイトル付三十一文字
友未 哲俊
十首連作
【数えうた】
失くしものいっぱいあって悲しくて 「有難う」としか数え切れない
【なくしもの】
目覚めれば朝がこんなに新しいだいじな物はぜんぶ失くして
【いつかまたきっとここでみんなに会える】
命さえあれば赦してあげられる次の宇宙でまた会えるから
【有難う】
有難うただ有難うをくり返す我あり今朝に独り醒めれば
【
この皿に何をのせよう
【交わる】
嘘を抱くかのように抱くきみの肉その最奥にいのち探らむ
【短いろばの歌】
遺 耳 君 ロ
す の の バ
風 廊 な の
あ 下 い
と に し は
ょ
の
出
入
口
動物園でデートしていたら、隣で彼女がロバの姿に釘付けにされてしまっています。私の存在などすっかり忘れ去って、1分以上もの間、ロバの瞳に魂を吸い取られていました。
大変です、早く連れ戻しに行かなければ …
【約束】
身をかへてこへにまた呼ぶ夕つ蟬むかし残した汝れの契りを
【そら余る】
空蝉のなほ老木に枝を抱き空の続きは往く雲もなし
【夕陽】
両腕に夕陽は抱えきれなくてぜんぶ赦して坂にたたずむ
和歌ぼっち ― タイトル付三十一文字 友未 哲俊 @betunosi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます