3.『阿久津さん』ヒロインを語ろう

【阿久津リコ】

 常に強気なヤンキーではあるが、実は結構ドジで恋愛に関してもヘタレなところが大変かわいらしい。大山くんの優しさに触れたり、かっこいい姿を見てドキドキしている様子は完全に恋する乙女。阿久津さんは常にかわいいが、やはり私が「阿久津さん、かわいい」とより強く思ったのは第24話と第37話だ。どちらもかなり初期の話だが、今でもよく読み返している。初めて私服姿を見た大山くんの反応について「それしか言わねーのかよ」という気持ちが顔に出ている阿久津さん。大山くんに喫煙していないか体の心配をされ、まるで「心配してくれたんだ。ふ、ふーん……」とでも思っていそうな阿久津さん。大山くんから「妊娠」や「赤ちゃん」というワードを聞いて顔を真っ赤にする阿久津さん。どれも素晴らしかった。さすがはメインヒロイン。長岡先生から大量の愛を受けているのが伝わる。これからも、どんなかわいい顔を見せてくれるのか楽しみだ。


【田中ミサキ】

 恐らくミサキちゃんは阿久津さんに次いで、長岡先生から「かわいい」と言われまくっているのではないだろうか。阿久津さんにシバかれたり、貧乳がコンプレックスだったりと結構不憫な部分が目立つ。しかしクセが強い……いや色々と濃いヒロインが多い『阿久津さん』の中では、最もまともな女の子だと思われる。不憫かわいい担当にしてしまうのは気の毒に感じられるくらい良い子なのだ。

 登場頻度が多くなって、世話焼きな面が強まった気がする。阿久津さんの恋愛相談に乗ったり、修学旅行のグループを決めることについて心配している大山くんを気遣ったりなど優しい子だ。大勢から恐れられている阿久津さんと違い、クラスメートと普通に会話しているので、そこまで不良ではないと考えられる。

 また、あれだけ阿久津さんに暴力を振るわれても阿久津さんのことが大好きでいられるとは、なかなか器が大きい子である。阿久津さんが大山くんに絡んでばかりで、淋しくなってしまったことを阿久津さんに知られたときに見せた赤面が素晴らしかった。そして留年しそうな阿久津さんをイジっていたのに、一緒に進級できることになったら喜ぶとは相当な照れ屋さんと思われる。

 長岡先生はミサキちゃんのスピンオフを描きたいと仰っていたが、もし描かれるならば大歓迎である。ちなみにミサキちゃんは誰かと交際したことはないが、バレンタインデーにチョコレートを渡したことはあるようだ。もしかしたら、仲良しグループの中では(成就したかどうかはともかく)恋をしたことが最も多いのでは……?


【鈴木ヨウコ】

 常に何かを食べているのが本当に好きだ。よく食べるキャラが好きな私は、ヨウコちゃんを見ていると楽しくなる。ヨウコちゃんが登場すると「今回は何を食べているのだろう」と気になっているのは私だけではないはず。いつも小柄なミサキちゃんの隣にいるからか、つい巨女に見えるのも好きである。

 しかし、あまりにも男遊びが多いので、もっと自分のことを大切にしてくれと言いたくなる。メンタルが強くてマイペースで、常に飄々としているヨウコちゃんが真剣に恋をしたらどうなるのかも気になる。


【大矢葵】

 ヤンキーの阿久津さんに全くビビらず強気に接している姿がカッコ良くて、初登場時から大好きになった。逆に、あの阿久津さんを怯ませるほど肝が据わっているところにグッときた。ちなみに長岡先生のお母様の推しでもあるらしい。

 年上の葵ちゃんに翻弄される阿久津さんは、見ていて楽しかった。百合も好きな私は、そういう意味でも葵ちゃんと阿久津さんの絡みを楽しんで見てしまう。


【大山母】

 葵ちゃんと同じく阿久津さん(と、その母親)をビビらせる貴重な存在。かわいらしい笑顔と、ファイティングポーズが特徴。やはり「母は強し」なのか、愛する息子を守るために出す圧が凄まじい。そして素晴らしい。


【阿久津レイコ】

 学生時代は娘同様ヤンキーだったが、今ではすっかり世話焼きのママだ。大山くんの家に来て、たこ焼きや寿司などお土産を渡すシーンがお気に入り。学生時代に留年しそうになって、今の夫に泣きついていたシーンを見ると、娘よりも丸いヤンキーに感じられた。割と素直で夫にデレデレなのは、ツンデレ気味な娘との大きな違いだ。もちろん共通点もあるが、その中でも母子で猫舌だったと知ったときには和んだ。


【ヒビキ】

 先輩である阿久津さんに向ける愛が、リスペクトによるものか恋なのかが気になる。悪ぶっているが家業を手伝ったり、母親を丁寧に「お母さん」と呼んでいたりと根は良い子だったのは意外だった。阿久津さんが避けているが故に、なかなか出番がないのかもしれないが再登場を願う。

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