2.長岡先生が私に教えてくれたこと

 私が長岡先生に感謝しているのは、月曜日が楽しくなったことだけではない。長岡先生の阿久津さんへの愛は、クリエーターとして尊敬すべきだと思うのだ。

 長岡先生は『阿久津さん』について「ずっと描きたかったお話」と語られていた。また長岡先生は、これまでに何度も「阿久津さんかわいい」と自分が生み出したヒロインへの愛を私たち読者に披露している。

 その愛は実は、阿久津さんの母(レイコ)を本格的に登場させるきっかけにもなっているのだ。あるとき、かわいいキャラを登場させたかった長岡先生は「もう1人阿久津さんを出せば良い」と思い付いた結果、元ヤンの母親を生み出したのである。つまり長岡先生の「かわいいキャラ」=阿久津さんということだ。

 長岡先生の阿久津さんへの愛は、新しい「かわいいキャラ」を出すきっかけになるくらい大きなものだった。『阿久津さん』が大人気作品である理由、長期連載になった理由、本編でも番外編でも毎回おもしろい理由、そして何よりも阿久津さんがいつもかわいい理由は長岡先生が愛を込めて漫画を描かれているからなのだ。

 ヒロインを心から愛し、ずっと楽しんで漫画を描く長岡先生の姿勢に私は感服した。物語を作る人間として、私は長岡先生を尊敬しているし、見習わなければならない。創作には愛が必要であることを、私に改めて教えてくださった長岡先生には本当に感謝している。長岡先生、ありがとうございます。

「これからも応援させてください!長岡先生」

「頑張ってください!長岡先生」

 ちなみに『阿久津さん』では、阿久津さんが留年しそうになる展開があるのだが、そのとき長岡先生はギリギリまで阿久津さんを留年させるかどうか悩まれたらしい。しかし、さすがに気の毒なので留年させるのは「ヤメときました」ということになったのだ。ラブコメのヒロインに留年させることを「面白いな」と考えたけれど、結局長岡先生は阿久津さんに優しかった。いや作中であれだけ阿久津さんに恥ずかしい格好をさせたり困らせてたりしているのだから、やはり長岡先生は「好きな子に意地悪するタイプ」だろうか。相当なキュートアグレッションなのだが、それも愛か。

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