王道と別ルートをゆく人生

免官されて王道成功ルートからは外れて、やさぐれてお酒飲んでたりした時に出会いがあって、別ルートで人生再起をはかるお話。面白いですよ。

(個人的に)ぼ、僕のことを描いてくれてるのか!? と思いながら読んでます(笑)。

リストラ、病気、家族に介護が必要になった(僕です)、などの理由で、それまで普通に歩んでいた道が閉ざされて、別の道で自分の幸せをつくっていかなくてはならなくなった経験がある人、今まさにそういう状態の人は、共感して読めるのではないかと思います。

人生、王道の成功ルートから外れて、別ルートで自分の幸せをクリエイトし始めてからが本番だよな〜とか思いながら読んでます(笑)。

作者さんは元商業作家で、情景描写や戦艦の機構の描写などは白眉な方だと思っています。

本作では、第10話冒頭のリッドマス(作中の都市)に入った時の情景を綴った文章が好き。ハッとすると思いますよ。

お母さん(エミリア)が出てくるところも好き。うっとうしく思っても親子の縁って切れなくて、人生の節目で困ってる時に出てきてくれたりする(親)というのも何か分かる感じです。

お母さんはまだ敵か味方か分からないですが(笑)、少なくとも息子(主人公)が要領よく、世でイメージされる王道のフォーマットに合わせて器用に生きられるタイプではないのが分かっていた(いる)わけです。もう、おまえは別ルートで生きろと。

巡空戦艦『スカアハ』は、全ての王道ではうまく生きられなかった人々の新しい居場所であり、世の中ままならないな〜と思いながら人の道を踏み外さずに自分を律して日々生きてる人々の再起の狼煙(のろし)です。

乗艦シーンは燃えるものがあるので、ご期待ください。