夏休みの宿題とお昼ご飯~その3
「全部任せは悪いから、盛り付け位はするわよ。」
「頼む。」
「頼まれたって・・まだ何か作るの?」
コンコン パカッ
「それ、目玉焼き?」
「焼きそばに目玉焼き乗せね?」
「え、それは知らない。何その贅沢はっ。美味しい確定じゃない!」
「俺も受け売りだかな。」
「・・本当に凄いね。追いつける気がしないわ。」
「これ位はじょーしきだろ?」
「それは私に対する嫌味かな~ぁ~?ねぇ??ちょっと頭貸しなさいっ。」
グリグリ
「痛い!」
「じょーだんよ。ごめん、ちょっと妬いちゃったから・・」
「全く・・」
「はいはい!折角作ってくれたんだし冷めない内に食べよっ。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「「頂きます!」」
パクっ
「・・・悔しいけど普通に美味しいわ・・半熟の目玉焼の黄身が良いアクセントになってる。」
「食えるか?」
「良いなぁ、こんな料理作れて。」
「見てたら分かる通り、大した事してねーだろ?」
「切って炒めるのが大変なんじゃない!作った事ない私が偉そうには言えないけど、家族以外の人が美味しいって思って食べられる料理が作れるのは凄いわよ。」
「金が取れる料理じゃないけどな。」
「突き詰めたらキリがないじゃない。カレーが簡単だって言うけど、それはカレー粉っていう便利アイテムのお陰じゃない。本場みたいにスパイス調合から始めたら大変でしょ?食べれる物が作れたら十分よ。」
「男が作るのは違和感ないのか?」
「女だから料理が出来て当たり前って価値観は古いけど、男女関係なく出来る関係なら強いよね、きっと。」
「分担出来るからな。」
「私も・・変わらなきゃな。正直、ルックスもスタイルもそれなりに自信があるわよ?夏祭りはナンパされたし・・けど、なんで遊び目的以外で私と付き合いたいって誰も声をかけてくれないんだろうって思ってたけど、それ以外の魅力がないのよね、きっと。」
「そんな事ねーよ。お前以上の女はそうはいないさ。」
「ありがとう・・あなたは幼なじみだから、私のいい所も悪い所も沢山知ってる。だからそう言ってくれるのよね。今まではあなたの私より劣ってる部分ばかり目について、何処かあなたを見下して見ていた。それは謝りたいの、今までごめんなさい。」
「気にするなよ、事実お前より下だった訳だし。」
「いつも何でも笑って許してくれて、昔から本当に変わらないわね。そんなあなたがどんどん変わろうとする、変わっていく姿を見てると・・自分が情けなくなるわ。」
「好きな女の為に変わりたい思ったからな・・俺。」
「だから・・私はあなたの恋を応援する。あなたが好きな人が誰なのかは分からない、分かりたくないけど・・私で良ければ出来る限りは相談に乗るわ。
夏休み中は好きなだけデートしてあげるって約束だったし、私で良ければ場馴れする練習相手になれる思うから・・何時でも言って。けど・・夏休み中だからね、リミットは。夏休み終わったら・・もう二度と、あなたと二人で会ったりしないわ。じゃないと・・邪魔しちゃ悪いから。」
ズキッ・・
「そこまでは・・」
「別に・・会わないからって関係が変わる訳じゃないわよ?お互いに大事に出来る人が見つかれば・・その時はWデートも悪くない思わない?あなたの彼女さんに、色々と教えてあげなきゃいけないからね。」
「何を?」
「な・い・しょ。」
「変な事吹き込むなよ?それと・・温め直すか?」
「あ・・ごめん、折角作って貰ったのに変な話してたら・・味わって食べなきゃきゃね。ご飯食べたら夕方まで宿題片付けるから、また暫くは部屋使わせて貰うから。」
「2人きりでいるとなると、俺は理性保つのが大変だな・・」
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