第12話 股の緩さ

やってしまった…。彼と寝るつもりなどさらさら無かったのに。自分の股の緩さに絶望する反面、この快感をまだ抜け出せずにいる自分がいた。とりあえず、この灰に濁った既成事実を少しでも白くする為に、私はお洗濯をしよう。そうして、私は仁と静香を引き裂く作戦に出た。


会社にて


「先輩最近すっごい肌艶良くないですか!羨ましい〜、もしかして彼氏とお盛んとか?!」

んー、彼氏ではない複数の人となんて言えないな。

「いやあ…旦那はここ最近ずっと単身赴任で…」

「あらま!旦那さん、すごくかっこいいのに…もったいなあい」

「あれ…旦那の話って、藤川さんにしたことあったっけ?」

「あ、ああ…あのっ」

「藤川この書類手伝ってくれー」

「はい!今いきますーーー!」

ああ、藤川さんいっちゃった…

私旦那の写真なんて見せたことあったっけな。まあいいや…


その帰り、私は仁ともう3回繋がった。

心に靄がかかっていた帰路の思いも身体が忘れさせてくれた。彼もすっかり病みつきになっているようだった。

でも……、仁は私のこと、どう思っているんだろう。

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