第5話 はじまり
その翌週から、私の不倫は始まった。
毎週のように、私と夫のシーツが、別の男の液で汚れ、いや、上書きだ。
祐希は鈍感なので、何も気が付かないだろう。
もう私は、彼から離れられなくなってしまった。
彼のことが好きなんじゃない。違う。好きなんじゃない、……違う。
私の身体が彼の物を欲してしまっているだけだ。
私たちはただ身体で結ばれているだけの関係。昔の情を引きずった結果、その引きずりが私のあなに入ってしまったのだ。
仁の奥さんにはどうするかって?
彼とその行為をした翌日、私は同窓会の件を伝えるふりをして住所が書かれた紙を頼りに彼の家に向かった。
お見合い相手は振ったあとも分からず初対面だったが、奥さんは綺麗な方だった。
静香という名前だと、彼女が言うと私は目を丸くした。
静香__________
静香って、…ああ、ああ
神様、なんて________
なんて________なのかしら。
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