Dungeon build
@Mao_cat
ハジマリ
1-1 使い魔召喚の日
Side マオ
今日はで魔法を学ぶこの学園で1番の楽しみといっても過言ではない使い魔召喚の儀。仲の良い友人と話しているとグラウンドにある台に登壇した学年主任の声が響き渡る。
「さぁ、今からの授業は多くの者が待ち望んでいたであろう、使い魔召喚の授業になる!いくつか注意点があるからよく聞けよ!
まず、使い魔は使役するモノではなく対等な立場だ!召喚や使い魔についての座学で何度も言ったが、彼らはお前たちの友人、師、家族。様々な関係になるモノ達である!過去には、アホウが高圧的な態度で契約しろと命令したり、吹っ掛けた契約を持ちかけ怒りを買い命を落とした例がいくつもある!
また、実戦経験が多い者、知識量が豊富である者、突出した才の有る者は人型の姿を取れる、力あるモノや知能が高いモノを呼べる可能性がある。この場合は契約の際、対価を求められる場合があるが対価が払えないと思う場合は潔く諦めろ。
あとは…そうだな、書類を見た所何人か居るが、代々同じ使い魔の種族と契約している家系の者は高確率で、その種族の長やその使い魔の親にあたるモノが見定める為に同行して来るケースもあるから失礼の無いよう気をつけろ。
次に手続きの方法だが……」
いつもなら授業も聞き流しているが、今回は真面目に説明を聞く。失敗したくないし今後の生活、何なら私の場合は人生が掛かっているといっても過言ではない。
使い魔召喚の儀、それは生活や冒険の中でパートナーとも呼べるモノを呼び寄せる儀式。
その中でも初めての儀は召喚主から使い魔への愛情や信頼等が大きくなりやすく、使い魔からは``初めて``が自分に捧げられ大切に関係を育まれるので、相乗効果で何かそれはもう凄いんだとか。ギルドの受付のお姉さんが使い魔の子を吸いながら言ってた。
説明が終わるとクラスメイトが順々に名を呼ばれ、担任の前で次々と召喚の儀を済ませていく。
「マオ~!!みてみて召喚できたよ!!ハーピーのピーちゃん!!凄く可愛い子!」
「ピ、ピィ…」
「エルよかったね~!あー…でも、差し出されたハーピーちゃんが怯えちゃってる。何なら恐怖に染まった顔してる。」
「あ、ゴメンねピーちゃん!でもマオは優しい子だから怖くないよ~。カッコいいというか可愛いというか。いい顔だからね!!」
召喚を終えテンションが上がりに上がっている学友のエルと、手の上に乗せられ差し出されたものの怯えから少しでもエルに近づこうとしているピーちゃんのやり取りに微笑みつつ、名を呼ばれたため召喚の魔法陣へと足を進めていく。
「さてさて次はーっと。マオか、そこに立て。
召喚の前に確認だが主に使用する属性、得意属性は闇で、前回の魔力量測定の際にドーピングや魔力を込められた魔法具の所持等、何も不正をしていないな?」
「してませーん!というか不正して楽しみと人生を潰す馬鹿じゃないです」
自分から生活苦になりに行くわけが無いと口を尖らせながら先生に言葉を返す。
因みに学生での使い魔召喚で不正をした場合は、危険性ありと判断され学園の卒業間近までの契約禁止及び、割増の実費召喚。卒業後や冒険者ギルド等での召喚の際は、自己分析能力や危険予知能力が低いとされ良くて追放。国へ不利益が起きたりした場合は良くて逮捕、悪くて国外追放及び永久的な入国禁止となる。
「まぁお前はそうだな。一応形式として聞いただけで心配はしとらん。
さて…お前は私生活というか、ギルドに所属をして実践経験がある影響で魔力量は平均より多くなっている。おそらく闇の上位精霊、あるいは他の属性の下位精霊辺りが来るだろうが…闇というのはどうしても知能が有る、それも悪意も含むモノに好まれやすい。もし精霊で無い別のモノが来たときは対価には気をつけろよ。そうだな…容姿について口に出してすまんが中性的な顔立ち故にインキュバス等が来た場合、そのキがないのであれば直ぐに逃げろ。
では、召喚はじめ」
「はーい。
我が求は永遠なる友。共に歩み、共に生き、共に戦うモノよ、我が思いに応え姿を見せよ!」
魔法陣に魔力を流し己が求める事を詠唱に組み込み唱えあげる。召喚に応える様に、魔法陣は白い光をあげていく。
(誰が良いかと考えるなら精霊かなぁ、でも折角なら会話が出来る子の方が冒険中とか喋れるし)
そんな事を思いながら魔力を流し続けていると、突如として魔法陣が稲光を迸らせながら黒く突如変色する。何故、変色…??
「っ…まずい!逆召喚だ!!お前が何処に召喚されるか分からん。マオ、魔力を込めるのを止めて魔法陣から離れろ!!お前たちも離れるんだ!」
「いやそれがっ……魔力が無理矢理持ってかれてて……止めれないし、離れられない……!」
耐えてはいるけど!魔力を無理矢理持っていかれてる、おそらく逆召喚のワープ系統の魔法の判定になって吸われているんだろうけど……吸われすぎて貧血の様な症状のせいで足がおぼつかない。
「グゥ……、ウウウッ…むり…!」
必死の抵抗虚しく、小柄な体型の事もあってか、マオの抵抗も虚しくその身は魔法陣へと引きずり込まれてしまう。
「まずったな……これはどっちだ…」
私が最後に聞こえたのは担任の迷いの言葉だった。
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