第2話 嵐の前の静けさ

ヴィヨレは頭を抱えた。しかし、思いつけと言われて思いつくのなら、苦労はしないだろう。


「あーーーもう!!!!!」


誘拐されたら花畑にも行けないじゃない!美味しいご飯だって食べられないし!!!

それに…何よりおばあちゃんとおじいちゃんに会えなくなる…。

2人とも高齢だし、心配かけたら寿命縮まりそうだし…。

そう思うと、なんだかとても心臓がギュッとなった。


「……。とりあえず、今の私にできることは、さらわれる前に2人に親孝行することだわ。」


そう考えたヴィヨレは、調べ物をしていた手を止め、まっすぐに老夫婦の元へ向かった。


その日はいつも以上に、料理も、洗濯も、皿洗いも必死に手伝った。おばあちゃんが目をまんまるくするまで。

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