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米が炊き上がると、本当は酔っぱらっていないはずの酔っぱらいユキ姉も活発に動き出し、夕食作りも最終段階に入った。
じゅうじゅう(野菜とご飯を炒める音)。
じゅわわわ(卵を焼く音)。
かちゃかちゃ(食器の音)。
こうして夕食が出来上がり、
「わーい、おいしそう!」
友だちとの電話と着替えを終えたちはやも、ダイニングテーブルの席に着いた。
「いただきまーす」
全員で、声を揃えた。
「わあ! 卵、つやつや、トロトロ! ユキ姉、上手!」
「それ、ひかりちゃんが焼いたんだよ」
「え!? ひかりちゃん、すごい! プロみたいじゃん!」
「いやいやいや、そんなことは。お口に合えばいいのですが」
照れくさそうにするひかり。
僕とひかりとちはやには、オレンジジュースの入ったコップ。
ユキ姉には、コップと缶ビール。ノンアルではない。でも、まあいいだろう。僕たちを助けてくれたわけだし。今日初の本物の酒になるわけだし。まさか、朝や昼に、いくらなんでも飲んでないよな?
ちはや「ああ、なんか、すごくおいしい」
ひかり「うん。このケチャップライスの味、すごく好き」
ユキ姉「あとで調味料の配合教えてあげるよ。と言っても、隠し味はビールなんだけどさ」
ちはや・ひかり「え!?」
ユキ姉「あはは。嘘嘘。こうしてみんなで食べてるから、よりおいしいんだろうね」
うん。ユキ姉の言う通りだと、僕も思う。
そうやって食事はなごやかに進み、終わりを迎えた。
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