それは叛逆天使の墜落か、自由への旅立ちか

主人公のイブキは「花御子」と呼ばれる天上の存在で、自分が仕える花姫に逆らったことで地上に堕とされてしまいます。
そこで出会うのが、少女のアム。
最初は敵対する世界にいたはずのイブキが、アムと行動を共にするようになる流れがすごく自然で、読んでいてぐいぐい引き込まれました。

そしてイブキを追って地上に降りてくるのが、かつての仲間・エリカ。
この関係性がまたいいんですよ。
天上の存在なのに、彼女たち花御子の方がよっぽど人間くさい。愛とか憎しみとか、そういう感情がむき出しになっていて、そこがたまらなくドラマチックでした。

地上に落ちたイブキが出会いを通して反撃の力を得ていく展開もすごく王道で、テンポが良いです。
アムとの関係も、読んでいて素直にワクワクする“ガール・ミーツ・ガール”って感じで、可愛いし、かっこいい。
神話っぽい雰囲気と王道の熱がいい感じに混ざってて、続きがめちゃくちゃ気になります。