バラの香りに満ちる想い――守るための魔法も嫉妬も、すべては愛のかたち。

静かに寄り添うはずの旅路は、甘やかな香りと胸を締めつける想いに彩られていく。
アルヴィンを救うために――そして「婚約者」として傍にいるために、カルロは誰よりも強く魔法を振るい、誰よりも執念深く守ろうとする。
バラの香りで不安を鎮める優しさもあれば、嫉妬に燃えて元婚約者を容赦なく罰する苛烈さもある。
その全てが、ただ一人を想う不器用な愛に繋がっている。

やがて竜の影を追う旅の中で、新たな令嬢の宣戦布告まで飛び出し、物語は波乱の予感に包まれていく。
けれどどんな危うさも、愛がある限り乗り越えられる――そう信じたくなる、切なくも甘やかなお話でした。