第13話 メール
万里江さんから連絡が入った。
「携帯を調べていたら、気になったことがあったので、仕事終わりに寄っていただけますか。」
何か分かったのだろうか。
「このメールをご覧ください。奥様の送信フォルダから見つかりました。差出相手は全てMASAKIです。時期は、あのメールより前です。」
『この前の申し出は、お断りします。』
『少し時間をください。検討します。』
『条件を飲みます。』
「これは?どう理解すれば。」
「これは、私の調査員としての考えなんですが、奥様は、柾木からなにか条件を出されていたんじゃないでしょうか。始めは、断っていた。しかし、最後は陥落した。」
「この条件というのは?」
「それは、分かりません。ただ、例のアルミニウムに関係しているのでしょう。」
純玲の不倫は、柾木と仕事に関係しているのか?
純玲に何があったか、純玲の心の中は、分からない。心の中を知る術はないか・・・ふと、頭に彼女と交わした昔の会話がよぎった。
純玲が、リビングでノートに何かを書いていた。花柄のノートだった。
「それ、何書いてるの?」
「これ?思いついたこと書いているの?」
「日記?」
「ちがうな~。毎日じゃないし、思いついた時の記録ってところかな。」
純玲は、笑っていた。
あのノートに何か書かれているかもしれない・・・。ただ、俺はそれを見ていいのか。
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