リューは冷や汗をかきながら目を覚ました。

喉が渇き、ふらつく体を引きずって静かに寝室を出る。

薄暗い廊下を歩きながら、妻を起こさぬように気を遣う。

水を飲もうと台所へ向かう途中、ふと横に置かれた鏡に目が留まった。

そこには、はっきりと自分の姿が映るはずだった。

しかし映っていたのは、にんまりと笑う黄色い虎――プーアだった。

「な、何だこれは……！」

思わず声を上げそうになり、慌てて目を逸らした。

だが、振り返るとそこにも、リューの代わりにプーアが立っている。

狂気じみた笑みを浮かべ、リューを見つめていた。

悲鳴を上げて後ずさり、慌てて寝室に戻るが、妻が目を覚まして声をかける。

「あなた、大丈夫？夢でも見たの？」

振り返ると、そこにもまたプーアが。

逃げ場を失ったリューは、必死の思いで家を飛び出した。

飛び出した先には複数の公安車両と救急車１台が門前に並び、公安部員たちが彼の到着を待ち構えていたように並んでいた。

「お迎えにあがりました、閣下。あなたのご命令通り、「プーアに似ているもの」を削除するために」

――これが、彼の終わりの始まりだった。

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