魔界からの徴税人に打つ、勇者たちの次の一手は!?

魔王討伐後の勇者一行の“その後”を描いたファンタジー。
……と書くと漫画やアニメで有名な作品を思い出しますが、この作品はもっと現実的で切実。
主人公・勇者デヴィドの困窮する姿に、身につまされながらも思わず笑ってしまう税金のお話がテーマとなっています。

魔王を倒すまではファンタジー、その後は自身の浪費癖も災いして生活に困窮するデヴィドのリアル。
これだけでちゃんちゃんとならないのが、このお話の面白い所。
元勇者パーティーたちの人間ドラマを交えながら、ストーリーはまたファンタジーへと舵を切り、最後はまたリアルへ。
ファンタジー世界に現実的な問題を持ち込みつつも、しっかりとファンタジーを描き切る、作者ならではの技巧を感じました。

物語構成も秀逸で、手出しのできない勇者たちをネチネチと責め立てる徴税者に、態勢を立て直して反撃していくという王道。
シビアな現実を突きつけながらもエンターテインメントとして成立しています。

社会風刺を交えたユーモアを愉しむことのできる、ちょっと大人のあなたにお勧めの作品です。

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