第19話 二ヶ月前、母の狂う過程4
能天気な明るい声に若干気持ちが和みつつアヤナは短く少し低い声で話始めた。
「ミア久しぶり。今山梨の祖母の家にいるの。明日にでも学校で直接会って話せないかな」
「ん〜なんか訳ありだね、明日の4時限目が終わったらそっちの教室に行くね、それじゃあ」
一方的に切られたが彼女はいつも様々なことを多動している。アヤナも最初は不快だったがすぐに気にならなくなった。
あとのことは明日考えよう。今日中に東京に戻るとなると着くのは夕方だろうか。アヤナは最寄りの駅に着くまで休むことにした。
東京駅に到着後アヤナはすぐに警察署へ向かった。母が殺人を犯したかもしれないと警察に伝えるためだ。何もしないよりはマシと考えたからだ。
事情を話すと警察は思いの外すぐに動いてくれた、警察官を二人連れて一九時頃には自宅到着することができた。
アヤナは玄関に向かう警察官とは距離をとり見守った。
警察官がインターフォンを押すと直ぐに声が聞こえた。母のものだ。その声はアヤナがいつも聴いていたもので懐かしく、なぜか安心する。
「どうしたんですが、警察の方がこんな遅い時間に?」
「夜分遅くに失礼します。ご自宅で大きな物音があったと通報があったものですから、お時間は取らせませんのでご自宅を拝見させていただけないでしょうか?」
警察官は事務的に伝えると好美は特に困惑した様子はなく「構いませんよ〜」とドアを開けて躊躇いなく家に招き入れた。
警察官は自宅に入り扉が閉まる。
一〇分後警察官は特に問題なく自宅から出てきた。
「それではご協力ありがとうございました。」
「はーい、ご苦労様でした。」
どうやら調査は終わったようだ。アヤナは警察官から家の内部がどのようになっていたかを聞くと「おかしいも何も普通の部屋でしたよ。」とアヤナに対してどこか疑いの目を向けながら告げられた。
「そんな。」
「一度、ご家族でよく話し合われた方がよろしいかと失礼します。」
ため息を一つつき警察はアヤナと別れてた。
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