3.春教室

6月 第2木曜日


こんにちは。

こんにちは。


個人的にポエムみたいな事を言いたいんですけど良いですか?

ん?

図書室という呼び名を僕の心の中では別称で呼びたいんですよ。

は?

何か良い案はありませんか?

とりあえず今の状況を素直に受け入れた方が良さそうだね。そうだな……図書室は私にとって「おっかない」場所なの。

なぜ?

遠藤君がいるから。

残念だな。2行目だけだったら遠回しの告白みたいだったのに。

君にとっては?

じゃあ「しょうがない」場所ですかね。言ってもしょうがない事をしょうがない人に言う場所。でも本が好きなんで。ここは特別な場所です。

最後の文だけなら「特別!? トクン……♡」ってなりそうなのに。

図書室の別称。

そうだったね。ないって、Noの意味もあるよね。

ありますね。

「お・っ・か」の3文字と「しょ・う・が」の3文字が無い部屋ってコトにならない?

「ならない」と言いたいですが、提案者は自分なんで、なるコトにします。そうすると図書室の「書」が消えますね。

「しょ」と読むもんね。

でもそれぐらいですかね。

チッチッチ。詰めが甘いよ。図書室の「図」は訓読みだと?

はかる」。

そう。で、「おっか」の「か」が無くなると……?

「はる」。春夏秋冬の春。

だね。図は春になり、書は消える。よってこの場所は「春教室」とすべきだよ。

「春教室」か。良い響きですね。心の中で使うことにします。

じゃあ無事解決という事で。バイバイ。

お疲れ様です。


 図書室の扉が開いて閉まった。

 いや、春教室の扉が開いて閉まった。


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