異世界転生 無双ハーレムを築けると思っていたけど実際はどうやら厳しいらしい

かなとん

第1話 異世界転生と聞いたら無双ハーレムだよね?!

異世界転生と聞いて何を思い浮かぶか。多くの人が思う異世界転生は主人公が何かしら特別な能力やスキルを持って転生し、いろんな仲間達と共に成長し、魔王を討伐したり、もしくは最初から最強な能力やスキルを持っていて無双し、「あれ?また俺何かやっちゃいました?」的な事をほざきながらかわいい女の子たちをはべらせて無双ハーレムでイチャイチャしまくったりというのが異世界転生の定番というものだろう。※あくまで個人の感想です


そしてこの俺、間宮海斗もその異世界転生とやらをさせてくれるらしいんだが――

「その……女神さん?もう一度言ってもらえます?」

すると女神さんは――

「はい!何度でも言いますがあなたにチートスキルや能力は差し上げません!」

「……ええええええええええええ!!!!!なぜです!!!!!異世界転生といったらチートスキルや能力で無双してハーレムを築き上げることでしょ?!」そう俺が女神に抗議する少し前――


俺はサラリーマンだった。年齢は25歳で順風満帆な生活を送っていた。安定した職業につけて、友達と飲みに行ったり、自慢じゃないが彼女もいた。そんな人生を歩んでいた俺だったがあることに巻き込まれてしまう。まあ、異世界転生系によくある少女を庇ったらトラックに引かれたのだ。あの時は体が勝手に動いたように感じた、気が付いたら少女を庇っていた。幸い少女は軽傷だったらしい。そうしてトラックにはねられて死んだ俺は気が付いたらあたり一面真っ白な空間にいた。

「ここは……?俺は確かトラックにはねられて――」

「お目覚めのようですね間宮海斗さん」

俺は後ろから声が聞こえ振り向くとそこにはまるで女神のような女性が立っていた。

「あ、あなたは誰ですか?それに一体ここは……」そう俺が言うと彼女はニコッと笑いながら。「あなたは少女を庇いトラックにはねられて死にました」一瞬頭が真っ白になった「し、死んだ?お、俺が?」すると彼女が俺に向かって「はい、あなたは確かに少女を庇いトラックにはねられて死にました。そしてあなたがこの空間にいるのは――」すると彼女は一度間をおいて「異世界に転生して新しい人生を送ってもらいます」と俺に言うのだった。

そんな事を急に言われて混乱していた俺だったがそんな俺を無視しながら彼女は俺にこう言った。

「で、す、が!ただチートスキルや能力を与えて無双ハーレムを築くのはもう面白みに欠けるといいますか……ありきたりすぎて面白くないんですよねえー」「ですので!あなたにはチートスキルや能力は差し上げません!」と俺に言うのだった――


「その……女神さん。なぜ俺にチートスキルや能力をくれないんですか?!異世界転生といったらチートスキルや能力で無双してハーレムを築くことでしょ?!」※諸説あります。そういうと女神は気だるそうに「だってぇ~飽きちゃったんだもん。転生者にチートスキルや能力を上げてもみーんな無双ハーレム築くんだよ?流石に飽きちゃったんだよねぇ~」そういうと彼女は俺の唇に指を当てて「だからぁ、あなたにチートスキルや能力は差し上げません!」と言うのだった。


俺は何が何だかわからずにいると彼女が口を開いて「ですが……流石に何もあげずに異世界に転生させるのも可哀そうなので……あなたに3つの選択権を差し上げます!」と言い俺に向かって異世界転生の事を説明しだした。

「3つの選択権と言いましたが詳しく言うと――あなたの転生後の種族と、最初に選べる3つのスキルと、持ち物を選ぶ権利を上げます!」そう言われ混乱していた俺だったが段々と冷静さを取り戻していく。

「その……3つの選択権とやらをうまく使ってから異世界に転生しろって事ですか?」と俺が聞くと彼女は首を縦に振った。「はい、そうですこの中から好きなのを選んでください」そう彼女が言うと俺の目の前に突如無数の種族やスキル持ち物の書かれたリストが表示される。「これが……選択権の中から選べるものですか――」俺は一通りリストを見る。よく異世界にいるモンスターであるスライムやゴブリンなどや、人間などもあった。そんな中で俺の目に留まったのが――オーガだったその中でも3つの種類に分けられるらしい。1つ目は、一般的なオーガで、その特徴は、肉体と精神の強さだ、人間を基準にすると人間の5倍ほどの肉体と精神を持つ、主に肉弾戦を得意として近距離で圧倒的な肉体を利用したパワーで敵を殺す。そして強大な敵であろうと怖気付かない精神を持つ。ただし、魔法の適性が低く、基礎魔法すら使えないらいし。それと人間と敵対している。そして2つ目は、1つ目の鬼と違い人間に似た顔で頭に角が生えてる1本の者もいれば2本の者もいる基本的には温厚だが、仲間が傷つけられると黙ってはいない。基本的なスペックは鬼と変わらないがそれなりに魔法を扱える。人間とは良好な関係を築いている。そして最後が……「か……」こいつだけは他の奴らと違って基礎スペックがおかしい、まずこいつは肉体的精神的にも鬼や鬼人を圧倒している。人間の肉体と精神力の15倍だ。それだけでもおかしいのにこいつ特有の固有スキルがあるそれがというものらしい、簡単に説明すると血を操ることが出来る。それは自分の血でも他者の血であってもだ。それ以外にもなる固有スキルもある。これは自身に服属を誓わせた者の能力の2割を自身の力に組み込めるらしい。こんなバケモンみたいなスペックをしているがどうやらもうこの異世界に存在しないらしい。他のオーガ達の生存競争に負けて絶滅したみたいだ。見た目は鬼人にそっくりだただ一つだけちがうのは他のオーガ達とは格が違う完全上位種族ということだ。ただしデメリットとして得られる経験値が半分減るというのがある。まあ、何にでもデメリットはあるって事だ――

「よし!俺はになるぞ!それとスキルは剣術と鑑定眼と創作だ!持ち物はお金で頼む!」そう俺が言うと彼女は少し驚きながらも承諾した。「はい、わかりました、種族は妖鬼、初期スキルは剣術、鑑定眼、創作、持ち物はお金でよろしいですね?」と彼女は俺に聞く「ああ、それで頼む」そう俺が答えるすると彼女は閃いたような顔をして、「1つ私からのサービスでのスキルを差し上げます」「暴食?」と俺が聞く。「はい、能力は自身が倒した者を食べた割合によって対象の能力やスキルを奪える可能性があるというものです。悪くないでしょう?」と彼女は蠱惑的な雰囲気を放ちながら答える。「ああ、ありがたくいただくよ」「あ、そうそうスキルについて説明しときますね。基本的にスキルのレベルは1~10までです。それ以上は……才能のあるものが極めた先に達人に変わります。レベルが上がるほどできることが増えたりダメージが増えたりします」「それとお金についてですがこの世界では金貨、銀貨、銅貨の3つで、金貨は1万円、銀貨は千円、銅貨は百円と言った感じです」「あとステータスを確認したいときは心の中でステータスオープンとおっしゃってください」「そ、れ、と、あなた以外の転生者はいませんそれと……勇者伝説的なものもありませんので街中で俺は転生した勇者だ!とか言わないでくださいね?」そう彼女がいうとゲートが現れる「ここをくぐれば異世界です、それではいい異世界ライフを――」その言葉を聞きながら俺はゲートをくぐった。


「さて……今回の転生者はどうなるか見ものですね……せいぜい私を楽しませてくださいね?間宮海斗――」

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