わたしの【推し曲】を聴いてくれ~!

音雪香林

第1話 【推し曲】は「木綿のハンカチーフ」です!

こんにちは。

音雪香林おとゆきかりんです。


みなさまは昭和の名曲「木綿のハンカチーフ」をご存じでしょうか。


知らない方が検索すると「都会にかぶれた男性が田舎に残してきた女性を捨てた」というような説明が出てくるかもしれません。


歌手が太田裕美さんという【女性】なので、どうしても女性目線で聴いてしまうためそういう解釈が多いのでしょう。


けれど、都会で働く男性は田舎に残した女性に「都会で暮らしていて素晴らしいと感じた物」を贈ろうとする様子もありますし、けしてないがしろにしていたわけではありません。


都会にいながらも田舎の恋人を気にかけていたのです。


ただ、きっと恋人である女性は傍にいた頃は共有できていた男性との色々な【体験】が、彼が都会という離れたところにいるために【伝聞】で知ることになり、それがとても寂しかったのでしょう。


この曲の舞台が令和なら公共交通機関を使って会いに行き、共有できなかった都会の体験を経て変わってしまった部分もあるけれど、変わらない【心】もあると確かめられたでしょう。


けれど時は昭和です。


田舎から都会に出るには何日もかかる場合もありましたし、何より女性が一人で遠出するのを「けしからん」と眉を顰める老人がいるような時代でした。


お互いに愛していながら住んでいる環境が異なることによってどんどんと価値観がずれていく。


たまに「木綿のハンカチーフ」の歌詞の男女を「男が悪い」とか「女が悪い」とか悪い方はどちらかと論争するコメントを見かけますが、私個人は「どちらが悪いわけでもない」と思いますね。


住む環境が変わり、物理的に距離も遠かったことで、お互いの心を見失ってしまった。


確かに変わらぬ愛がそこにあるのに、それを感じることができなくなってしまったんです。


変わっていないのに変わったとお互いが思い込んでしまった。

そして思い込んだことで「本当に変わってしまった」のですね。


それゆえの破局です。

歌詞なんて小説に比べたらすごく短いのに、よくぞここまで表現されたものだと尊敬します。


ゆえに、大好きな曲です。

歌詞だけでなくメロディーも太田裕美さんのお声も美しいですしね。


もしこれまで「木綿のハンカチーフ」を知らなかった人が、このエッセイで興味を持って聴いてみたら好きになった……なんてミラクルが起きたら嬉しいなと思います。


以上です。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

あなたにも私にも幸運が降り注ぎますように。




おわり

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