第2話 わたしの選択
スタータス画面?を弄って分かったこと。20ポイントを消費して選べる森人は、最初の属性魔法の素質を0ポイントで選べる。二番目に5ポイントで選べるのは別の属性魔法に限られる。三番目に光魔法か属性魔法を10ポイントで選べる。四番目に15ポイントで時空魔法か光魔法か属性魔法が選べる。以下同様。
そして普人の場合は、最初に属性魔法を10ポイントで選べて、二番目に15ポイントで別の属性魔法。三番目に20ポイントで光魔法か属性魔法、四番目に25ポイントで時空魔法か光魔法か属性魔法が選べる、ということだった。森人は全6種の魔法をとれるけれど、普人は最大4種しかとれない。つまり…
(普人)
最大4魔法を取得可能。4種の素質をとるのに必要なポイントは、属性魔法(10)→属性魔法(15)→属性魔法または光魔法(20)→属性魔法または光魔法または時空魔法(25)。計70ポイント。
(森人)
全6魔法を取得可能。6種の素質をとるのに必要なポイントは、属性魔法(0)→属性魔法(5)→属性魔法または光魔法(10)→属性魔法または光魔法または時空魔法(15)→同(20)→同(25)。4種だと30ポイント、6種では75ポイント。でも種族ポイントが別途20必要。
…恐らく転生先の世界では複数魔法持ちは少なく、光魔法や時空魔法持ちは更に希少なのだろう。レベルが3までしか上げられない点については、【能力】の項目にあった【魔法学】をチェックしたら分かった。
【魔法学】:魔法の扱いに熟達するための学問
※魔術を第四段階にするには魔法学の第一段階が必要
言われてみれば、高度な魔術を使うには素質だけでは無理で、魔法書で勉強する必要があるのは当然よね。寧ろ魔術をレベル3まで【魔法学】なしで上げられるのは神様のサービスかも。ふと思いついて【魔具術】をとってレベルを上げてみると、レベル3から【魔具学】が必要だった。やはり【魔法学】はサービスだろう。
【魔法学】はレベル1とレベル2が10ポイント。但し、森人は5ポイントでレベル1をとれる。魔術をレベル5にするには【魔法学】レベル2が必要。魔法ってコストが高い。しかも【魔法学】をレベル3にして【火魔術】をレベル6にしようとしても出来なかった。意識を集中すると説明文が浮かび上がる。
※【火魔術】は18歳未満では第五段階が限度
※【魔法学】は18歳未満では第二段階が限度
…うん、やはりゲームなどではなく現実の別世界に行くのね、と痛感する。魔術はレベル10、学問はレベル4が最高らしいから、「魔術5/10」と「学問2/4」が「若いのに凄い」ということなのだろう。そして武術系でも同様のシステムだった。【剣術】【槍術】【斧術】【弓術】など沢山あって、例えば…
【剣術の素質】(10)剣などの斬撃武器を巧みに扱える素質
を選んで【剣術】のレベルを上げると、魔術と同様にレベル1と2が5ポイント、レベル3が10ポイントで、こちらはレベル3にする際に【能力】の中から【俊敏】【剛力】【不屈】のどれかひとつを10ポイント使ってレベル1にする必要があった。そして ※18歳未満では第三段階が限度 と出てしまった。
レベル4にするには15ポイント必要で【俊敏】【剛力】【不屈】から二つをレベル1にしなければならないことも、魔術と同じく最高レベルは10らしいことも分かるのに…魔術より上限が厳しいのね。試しに【俊敏】だけを上げてみると、学問と同じで最高はレベル4らしくて、18歳未満ではレベル2までだった。
ちなみに武術系は素質をとらなくてもポイントを二倍消費すれば獲得可能で、ただし最大レベルは3で止まるらしい。しかも素質なしの場合は ※18歳未満では第一段階が限度 だった。素質が無くても頑張れば戦えるようになるものの、それなりの腕前で終わる。これも現実っぽい。
森人にするかどうかは迷いに迷ったけれど、結局、普人を選んで165ポイントを振り分けた。レベルは段階で表示されるから、これからはもう段階で考えることにした方が良さそうね。
【時空を渡る者】マサカキリカ
【種族】普人【魔術士の装備】(5)
【天賦】【美化】(5)【火魔法の素質】(10)【魔具術の素質】(10)
【能力】【火魔術:第五段階】(55)【魔具術:第二段階】(10)【棒術:第一段階】(10)【薬術:第二段階】(15)【商売:第一段階】(5)【魔法学:第二段階】(20)【復調:第一段階】(10)【耐性:第一段階】(10)
魔法がある世界なら森人が有利だろう。でも極少数派のリスクが分からない。森の中に隠れ住むようでは困る。それに、もし種族別の転生で森人の中に入るとしたら、魔法を使えてもアドバンテージにならない。寧ろ森人を選ぶなら武術系に特化する方が…でも、戦闘は怖い。ポイントを振れば戦えると割り切れない。
一方、普人は0ポイントで付いてくる種族特性が無い代わりに、通常10ポイントのところを5ポイントに優遇されている【能力】が多いのだ。学問系は【恒神学】【法典学】【数理学】など軒並み5ポイントで第一段階にできる。10ポイント必要なのは【魔法学】【魔具学】【博物学】【医学】くらいだった。
職能系も、【薬術】【農作】【漁労】【紡織】【調理】【木工】など5ポイントでとれるものが沢山あった。これは恐らく、転生してから習う場合でも上達しやすいということだと思う。職能系は第五段階が最高で、18歳未満では対応する学問の第一段階をとった上で第三段階が限度、らしい。
普人で【火魔術:第五段階】なら重宝されるに違いない。錬金術っぽい【魔具術】とポーションを作れそうな【薬術】があれば、戦闘をするにしても生活費を稼ぐにしても困らないよね。ちなみに【薬術】は「薬草木の採取と製薬の技」で【薬学】は「薬物の扱いに熟達するための学問」だったので、実践的な前者にした。
後衛に徹するつもりだけれど、万が一の近接戦闘に備えて【棒術】を第一段階(素質なし)にした。棒を振り回すだけなら、第一段階が部活程度の腕前だったとしても何とかなると信じたい。武術系にはこれ以上のポイントを回す余裕が無い、というのが正直なところだけれど。それ以外で重要では、と思ったのは…
【耐性】病原体及び毒素への抵抗力
異世界へ行くのだから、これは必須よね。それから
【復調】魔力や意力疲労の復元力
魔力切れで詰むのは避けたいので、肉体疲労の復元力だった【回復】よりもこちらを選んだ。これらも【俊敏】などと同様に第四段階が最高らしい。そして職能系の中から、種族ボーナスで5ポイントだった…
【商売】商いを円滑に行うために必要な技
も、第一段階にしておいた。値引き交渉とかできたら楽よね。よし、これでキャラメイクは完了ね…え?【美化】は何なのって?
【美化】より整えられた外観となる
ほら、そこはわたしだって乙女だから! 別人並みに整形されそうな【美形】だと恥ずかしいし…そ、そんなことよりも【魔術士の装備】を説明させて?
【魔術士の装備】魔術士の服 短杖 背袋 巾着袋 革水筒
その他にも【魔物狩の装備】【旅人の装備】などがあった。シンプルな姿だから初期装備だと思うけれど。それでも、意外と細かいところまで気の利く優しい神様なのかもしれない。
{それでは我が世界に移そう。散らばることになるが、共に移りたい者がいるのであれば、近寄ってみるが良い}
うん、全員まとめての転生ではない可能性は薄々感じていた。でも、一緒に転生する人は選べて欲しかった。前言撤回、やっぱり厳しい神様かも。ええと、周りの魂が誰かなんて判るのかな…?
そうこうしているうちに、急速に時空の光度が増していく。焦って意識を集中すると、直ぐ傍で強い輝きを放つ光の玉が静かに佇んでいるのに気が付いた。そして、その輝きに魅入られるように近付く玉が…これが百桃で間違いない。強い光の方も誰だか判ったけれど、まとめて転生すればいい!
わたしは合体する勢いで二つの魂に急接近すると、しっかりと密着した。
{此度こそは良き生を歩まんことを}
神様の最後のお言葉と共に、わたしたちは真っ白な輝きに飲み込まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます