嘘喰い少女奇譚 01
⠀行き道に小さな峠があって、そこを下った先に大きな平屋の家がある。それがおじいちゃんの家。
⠀あの峠は夜になると街灯も少なくて危険だから、いつも夕方になる前に帰るようにしてたなぁ。
⠀確かお母さんは降りる間際に「遅くなると思うから、友達に車で送ってもらうから安心してって、おじいちゃん達に伝えててね」と言ってた気がする。
⠀後ろを振り向き窓の外を覗くと、日が傾いて景色は少しずつオレンジ色に染まっていた。一面に広がる田んぼは、育った稲が夕陽の色を吸収しながら風に揺られ波打っている。
⠀いつの間にか夕暮れが近づいていた。 ー夕日が綺麗だと思ったのはいつぶりだろう。
「次は秋穂ー、秋穂ー。お下りの方はお忘れ物がないようにご注意ください」
⠀電車のアナウンスが目的地に着いたことを知らせる。誰も動く気配のない車内の中、ほなみは荷物を取って電車を降りた。
⠀夕日を見ながら、ふと思い出した。
⠀そういえば、おじいちゃんが話してた昔話ってどんな内容だったっけ…?
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