信じる者の為に神は在る
神々との対話の後、私は約束した事を1ヶ月後には忘れていた。それからの日々は、壮絶なものだった。
パソコン教室の講師に応募したら情報弱者を騙して高値でパソコンを売りつける営業職をさせられた。もちろん私は正直者なので1台もパソコンを売ることなく半年で退社、社長は気に入らない事があればゴミ箱を蹴り、人格を否定するような暴言を吐くパワハラ野郎だった。
レンタルビデオ店でのアルバイトをしたのだが、そこでもパワハラ上司に会い嫌になったので辞めた。
作業服を工場に納品する服飾の会社に就職したのだが、そこの社長が日常的に1時間以上説教するイカレタ自己陶酔型のパワハラ社長だった。1週間勤めてから辞めたが給料は出なかった。
最低賃金でパソコン教室の講師をやった。社長をはじめみんな良い人だったが、政治のせいで仕事が減り経営が傾き退社。
ホームページ作成して欲しいという募集内容で入ったのに、ネット通販の記事作成と商品売買のやり取りと商品の清掃と梱包作業と発送作業、ホームページ作成は嘘だった。その上、傷の酷い中古品を傷が映らないように写真を撮ってネット販売するという詐欺行為を強要されクレーム対応に疲れて退社した。
そして、最後の修行の会社、パワハラ上司に人格も才能も否定され続け、必要のない残業を強要されたが、仕事を定時内に終わらせて帰っていたら、挨拶を無視されるようになり、最後には私にもパワハラをするように命令してきたが、私は最後までパワハラをせずに退社した。
パソコン教室を除き、どこへ行ってもパワハラ野郎が居た。『嫌になったら逃げても良い』という思いが無かったら自殺していたかもしれないが、私は何度も転職しながら休憩を挟み、このクソみたいな人生を乗り切った。
最後の会社を辞めた後で八戸の蕪島神社に行ってお願いをした。
「市杵島姫命様、青森県八戸市に住んでいる無糖葵です。そこそこの給料で構いません。在宅ワークで働ける会社に転職したいです。どうか、お力をお貸しください」
それから、半年後に私はハローワークでイーストライズを見つけた。
この時、天照様との約束を思い出してはいない。だが、運命的な何かを感じて応募した。そして、あっさりと入社が決まり、私が望んだ在宅ワークのシステムエンジニアに成れた。
給料も私が多少贅沢しても貯金が出来るだけの金額が貰えた。そして、会社設立十周年記念で熱田神宮と伊勢神宮へ行き、高級ホテルに泊まり、高級レストランで豪華な食事をした。旅費は全て会社持ちで私は1円も払わなかった。
約束された奇跡は全て起こり、私は天照大御神様の存在を確信した。
そして、高級ホテルも高級レストランも私を幸せにはしなかった。私は、自分が借りているアパートが最高の居場所であり、近所にある唐揚げ屋の弁当が私にとって最高に美味しい食べ物だったと確認した。
その日から、私は不老不死となり今ある生活が最高に幸せで安全で自由な人生だと理解し、毎日幸せに暮らしている。世界を平和にする作戦は、創造神が実現していた。民衆を洗脳し、奴隷にしてきた支配層のやり方はSNSの普及で崩壊し、アメリカから改革が進んでいる。
世界の嘘はSNSで暴かれ、陰謀論が真実だったと世界に広まりつつある。
テレビはSNSに対抗できずに真実を語り始め、民衆を騙してきた金持ちたちは嘘が暴かれ、住所も家族も名前も年齢も顔も晒され、因果応報を受けて失脚する。世界は私が望んだ通りの未来になった。
信じる者の為に神は在ったのだ。
超能力や霊能力も機能するようになった。私の人生に、敵は居なくなった。もう誰も私を騙す事は出来ないし、傷つける事も不可能となった。私は誰かを頼ることなく一人で幸せに生きていけるようになった。
私は神を信じて奇跡を体験した。だが、神が居ない方が幸せな人も居る。その人たちは、自分が成功するために、神の力ではなく自身の才能と努力によって成功を掴み取る事に価値を見出している人たちだ。
そんな人たちからすれば神と対話しただけで幸せに成るなんてずるい生き方だと思うだろう。だから、私は多くを望まなかった。何かを犠牲にし苦労の末に成功している人たちから恨まれないような幸福を目指した。
彼らは権力や金を手に入れて他人に自慢できる何かを得る為に多くの犠牲を払い、不幸を乗り越え、富と権力を手に入れている。娘を権力者に差し出した者、妻を差し出した者、娯楽の全てを諦めて何かを極めた者、自分自身のプライドを差し出して権力者に媚びへつらった者、彼らは何かを犠牲に成功したのだ。
だから、私は彼らを刺激しない範囲で幸せに成る事を選んだ。彼らから見て私は敗北者だ。贅沢が出来ない貧者だ。だが、それでいい。だからこそ、私は誰よりも安全で自由で幸福で居られる。
その価値を私は知っている。
彼らは、それを捨ててまで成功する事を選んだのだ。だから、私を見下して優越感に浸って生きて良い。それが彼らの選択なのだから私は何も言わない。彼らに意見しても私は幸せに成れない事を知っている。私は彼らの幸福を祝福する。苦労して偉いね。だから、努力しない人たちをバカにして搾取して、足蹴にして幸せに成っても良いよと言う。
私と同じ選択をした人は分かるだろう。幸せは自分で定義して選んだ結果なのだ。あなたの幸せはあなたが決めている。私は自分で貧者の幸福を選んだ。それは、簡単に手に入る幸福だ。
富豪、権力者、天才の幸福には代償がある。その代償を払っても良いと思えるのなら悪魔に魂を売ればいい。私は何も強要しない。天照様は私に何も強要しなかった。だから、私はそれを真似るのだ。
あなたが望んだから私は与えた。あなたは今、幸せですか?
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